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<Vol.1379号:土曜増刊:
BRICS通貨とCBDCはどんな通貨か(2):中編>
2023年11月4日:デジタル通貨の方法と内容の想定
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著者:システムズリサーチ:吉田繁治
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2023年に公表された、貿易の分野での「BRICSデジタル通貨」について、まともな論を、ほとんど見かけません。その原因は、多岐に渡っています。
(1)「貿易分野の共通通貨」という概念への、知識がない。
貿易で、もっとも多く使われるドル、2番目のユーロは、米国とユーロ(19カ国)の国内通貨でもあるので、国内通貨と貿易通貨の混同が、まずあります。
「BRICSデジタル通貨」は貿易通貨です。「BRICS 5カ国+産油国+グローバルサウス諸国」の、国内通貨ではない。
国内通貨もそれぞれデジタル化に向かっていますが、統一せず、現在の通貨を流通させます。
(2)貿易通貨と、国内の各国通貨の区分をしていないから、「BRICSデジタル通貨」は、もともと無理な通貨であるという結論に達する。
各国の銀行制度、経済事情、賃金水準、所得にかかる税制が、大きく異なっていて、ユーロのような共通通貨は作れないとされます。
(3)1999年に成立したユーロを、マネー理論から研究し、提案したのはマンデルです。「最適通貨圏」が必要としました。
最適通貨圏とは、労働移動の自由がある国のことです。
賃金の高い国に労働が移動できる手段があれば、参加国の賃金が平準化に向かい、通貨は安定する。
ユーロ(EU内の19カ国)では、移民と労働の移動を自由化しました。しかし労働の作業は同じでも、文化(行動様式)と価値観(需要なもの)の違いから、各国に人種間の衝突と摩擦を生んでいます。
BRICSデジタル通貨でも、ユーロのような統一通貨を想定しているため、経済の水準、文化、価値観が違う国での通貨の統一はとても無理だとされています。中国とイランでは別の文化です。
(4)以上の錯誤した論には、感情的な見方という裏があります。
中国やロシアは嫌いである。ドルは基軸通貨として強い。だからBRICS通貨はうまくいかないで欲しいという好悪の感情からの論が背後にあるのです。感情からの経済論、通貨論は誤りを生みます。
戦争で、自分が属する側を正義、敵国を悪の国とすることと同じです。敵国は、逆に見ているのです。
この論の根にある問題は、貿易通貨と国内通貨に区分していないという間違いです。
【論文の事例】
敢えて名前は出しませんが、月刊の総合雑誌(23年11月号)に、大手銀行の、主任クラスのエコノミスト&通貨トレーダーが、(1)から(4)が混じって、典型的に間違った論を、展開していました。名のある、当方も聞いたことのある通貨トレーダーですが、事実と論理が複雑骨折していて感情が交じった論理でした。
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