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臨時国会、開幕 適材適所? 経済対策、効果限定的か 「増税メガネ」と揶揄する日本人の”頭の悪さ”が目に余る
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岸田文雄首相は23日、臨時国会の所信表明演説で、とくに物価高対策として、
「税収の増収分の一部を公正かつ適正に還元し、国民負担を緩和する」
と語り、与党内で所得税の減税を念頭にした還元策を打ち出す構えを見せた。
岸田首相は、「低物価・低賃金・低成長のコストガット型経済」から「持続的な賃上げや活発な投資がけん引する成長型経済」への移行を目指すとし、総合経済対策について、供給力の強化と国民への還元を両輪と位置付けて取りまとめると宣言。
その具体策としては、半導体や脱炭素といった経済安全保障分野の大型投資への集中や、企業の賃上げを促す減税措置、特許などの所得に関する税制制度を挙げる。
国民への還元策としては、与党の税制調査会に早急な検討を指示すると言及。
また、自治体が実施する低所得者向けの1世帯当たり3万円給付を後押しするため、重点支援地方交付金の枠組み拡大も明言する。しかしながら、還元策の一方で、財政の健全化については触れず、防衛増税の開始時期については、
「行財政改革を含めた財政調達の見通し、景気や賃上げの動向を踏まえ判断する」
との表現にとどめる。他方、一般ドライバーが自家用車で乗客を有償送迎する「ライドシェア」については、
「地域交通の担い手不足や移動の足の不足といった問題に対応する」
とし、意欲を見せた。相次ぐトラブルに見舞われるマイナンバー制度の総点検については、原則11月末をめどに終えると表明。旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の問題については、
「被害者救済に適切に対応する」
と語るも、しかし被害者救済に充てる教団の財産の保全には触れなかった。
第一次岸田内閣発足から2年が経過し、内閣再改造を経て行われた所信表明演説。首相は、「経済、経済、経済」と連呼するも、しかし「経済優先」型の日本社会は、だからこそ”崩壊”した。
他方、岸田内閣の足元では、”適材適所”の人事がことごとく失敗する。
目次
・適材適所?
・経済対策、効果限定的か
・「増税メガネ」と揶揄する日本人の”頭の悪さ”が目に余る
・適材適所?
東京都江東区の木村弥生区長選での公選法違反に関して、法務副大臣の柄沢末途氏が31日、木村氏に有料広告をインターネットで勧めたことを認め、辞任。
女性関係の問題で、26日に文科政務官を辞任した山田太郎参院議員に続き、わずか1週間足らずで2人の政務三役が辞任する事態が発生。これは「異常事態」と言える。
首相は、9月19日の内閣改造で、過去最多の女性5人を任命したことを、「適材適所」と強調。しかし、9月15日に発表された副大臣と政務官の人事では、女性の起用がゼロだった。首相はその人事についても「適材適所」と主張している(1)。
そもそも今回の内閣改造に伴う人事については、その「適材適所」に疑問符がつく。初めての入閣となった文部科学相の盛山正仁氏は、旧統一教会との接点があるにもかかわらず、教団の解散命令請求を担当する立場に就く。
国会議員の活動実績をまとめた政治学者の菅原琢氏によれば、盛山氏のこれまでの主な経歴は衆院厚生労働委員長や党法務部会長などで、文科行政に詳しい印象はないという(2)。
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