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習近平路線、「ソ連化」「日本化」へ同時突入 ダブルショック不可避 中国の運命は?

勝又壽良の経済時評
  • 2023/11/06
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李前首相の死による損失 色あせた中国市場の魅力 習思想「ソ連化」の一歩 「日本化」より重大事態 習近平中国国家主席によって、中華再興を実現できるだろうか。頑ななまでに、中華再興を言い募っているが、中国はこの硬直化した目標ゆえに、かえって柔軟性を失い「中国衰退」という逆方向へ走る危険性を抱えている。これには、歴史的に二つの先例がある。 一つは、「ソ連化」である。フルシチョフ書記長失脚後のソ連は、ブレジネフ書記長による引締め政治で経済が行き詰まり、最終的には国家崩壊へと突き進んだ。もう一つは、「日本化」である。日本が、バブル経済崩壊後に過剰債務を抱え込み、正常化するまでに20年間を必要とした。さらにその後も、デフレに直面しゼロ金利にするほどまでに苦悩した。 こうした、「ソ連化」と「日本化」が、習近平氏にとって決してよそ事ではないのだ。すでに、「現実味」を持って迫っているのだ。過度に「中華再興」を打ち上げたことから、西側では米国覇権へ挑戦し始めたと受け取られている。これが、米中対立を深めており、中国経済と距離を置く「デリスキング」(リスク削減)を生み出した。「ソ連化」と「日本化」を一層強める要因となろう。 李前首相の死による損失 李克強・前首相が10月、心臓疾患によって亡くなった。習氏とは10年間、国家主席と首相という関係にあった。習氏は、李氏の担当である経済政策の立案権限を奪い、事実上の「ロボット」首相へ追込んだ。李氏は、北京大学の経済学博士号を持つ「政策マン」である。それにも関わらず、李氏が執権能力を奪われたのはなぜか。李氏が、改革開放派であり習氏の毛沢東原理主義と距離があったからだ。

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  • 勝又壽良の経済時評
  • 経済記者30年と大学教授17年の経験を生かして、内外の経済問題について取り上げる。2010年からブログを毎日、書き続けてきた。この間、著書も数冊出版している。今後も、この姿勢を続ける。
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