(2018年2月21日の第21号改訂)
こんばんは!
年金アドバイザーのhirokiです。
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1.平成11年に初めて物価が下がったのに年金を下げなかったツケ。
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前回は平成12年改正の途中までお話ししましたが、物価が下がったのに下げなかったといいました。
昭和48年に物価スライド制を導入して以来ずっと物価も賃金も上がり続けましたが、とうとう平成11年からついに物価がマイナスになったんです。
それが平成13年までの間にマイナス1.7%まで拡大しました。
平成11年は0.3%マイナス、平成12年は0.7%マイナス、平成13年は0.7%マイナス。
物価が変動したら翌年度の年金額もそれに変動させますが、しなかった。
政府は特例として年金は下げずにそのまま据え置きました(これを特例水準の年金として支給を平成26年度まで続けていた)。
つまり、実際の年金額より高い水準で過払いしていました。
平成10年前後からは大手金融機関の倒産が相次ぎ、景気が非常に悪い時期だったのでそのために年金は下げないようにしたんでしょうけど、選挙の投票率が高い高齢者の方からの反発を恐れたというのもあるでしょう。
そりゃあ、年金額を下げたらすごく反発されるのは目に見えてますよね。
しかし、年金は物価変動や賃金変動に影響するって事を知らない人がまだ多い。
知らないっていう国民側にも問題があると思うんです。
年金はなぜ毎年度変更したりするの?と調べれば細かい事はわからなくても、物価や賃金の伸びに変動するってわかるからですね。
万が一、物価や賃金が下がってそれに伴い年金が下がったりすると「財政が厳しいからだ!」「破綻しようとしてる!」「年金下げる前に無駄を省け!」…というようなズレた批判が飛び交ったりします。
さて話を戻して、1.7%のその下げなかった分は…今後物価が上がった時に相殺する形でやればいいやって話だったんですが、平成14年(さらに0.9%マイナス)以降も下がり続けてさすがにマズいのでそこは翌年度の平成15年度年金額からついに0.9%下げたんです。
平成15年は更に0.3%マイナスだったから平成16年度の年金額も0.3%下げました。
つまり、平成12年度から平成16年度までに本来なら年金額を累計下落率は2.9%(→0.971)の下落をしなければならなかったんですが、やらなかったせいでその後平成26年度までずーっと本来の年金額よりも高い水準で払い続けたんです。
経済が成長しない経済停滞期となりマイナス成長が続いたから、過去に1.7%据え置いた分を相殺する事ができずに解消しないまま時が経っていきました。
ついに平成23年度からその本来の年金よりも払い過ぎが2.5%まで拡大し、毎年1兆円規模で過払いが膨れ上がる見通しとなってしまいました。
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