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ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)2023年11月11日(土)号

ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- はじめに -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------  岸田文雄首相は、年内の衆議院の解散・総選挙を見送る意向を固める。政権幹部が9日、明らかにした。  岸田首相は、物価高対策として定額減税を打ち出したものの、”空振り”し、内閣支持率は就任後最低を更新。厳しい政権運営が続き、事実上の解散断念に追い込まれた。今後、解散の時期は来年9月の自民党総裁選を挟み、来夏か秋ごろになりそうだ。  首相は常々、「解散」の伝家の宝刀を抜くタイミングをうかがっていた。通常国会閉会を控えた6月13日には、 「いつが適切か、諸般の情勢を総合して判断する」(1) と発言し、自ら”解散風”を吹かせて野党を浮足立たせ、重要法案の成立に漕ぎつけた。しかし、政務担当秘書官だった首相長男の不祥事やマイナンバーカードをめぐるトラブル、物価高対策などの混乱に見舞われる。  そんなとき、「起死回生の秘策」(首相周辺)として出たのが、減税措置であった。首相は9月23日、松野博一官房長官ら限られたメンバーを公邸に呼び、構想を練り始める。  そして、臨時国会を控えた10月初旬、首相側近が公明党の支持母体である創価学会の幹部に対し、年内解散の可能性を囁いた(2)。  創価学会も、同月11日の幹部会合にて、衆院選の態勢強化を確認。「ギアチェンジ」(関係筋)(3)した。  だが、誤算が生じる。減税の意義を説明するも、防衛費増税額の時期を曖昧にし、野党からは、 「偽装減税」 「増税前の大盤振る舞い」(4) と批判される。結果、共同通信の世論調査で、内閣支持率は過去最低の28.3%にまで落ち込んだ。  そのため、首相周辺は、解散風を「打ち消さないと終始がつかなくなる」(5)と判断した模様。  首相は、来年以降の衆院解散・総選挙のタイミングを探る。しかしながら、年末から来年にかけては、防衛力強化のための増税や少子化対策の財源確保についての負担増論議が待ち受ける。  9月の自民党総裁選をにらみながら、来年夏か秋の衆院解散論が浮上するも、選択肢は徐々に限られてくる。 (1) 西日本新聞「首相じり貧 解散が幻」2023年11月10日付朝刊、3項 (2) 西日本新聞、2023年11月10日 (3) 西日本新聞、2023年11月10日 (4) 西日本新聞、2023年11月10日 (5) 西日本新聞、2023年11月10日 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 性同一性障害、性別変更の手術要件「違憲」 最高裁大法廷、違憲は12例目 世界の潮流から周回遅れの日本 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------  性同一性障害の人が戸籍上の性別を変更する場合、生殖能力をなくす手術を事実上求めている性同一性障害特例法の規定(生殖能力要件)が憲法に違反するかどうかが争われた家事裁判で、最高裁大法廷(裁判長・戸倉三郎長官)は10月25日、規定を違憲とし、無効とする決定を下す。  最高裁は、生殖能力要件について、現在では手術の必要がない性同一性障害の人までもが性別変更に当たって手術を選ぶか、性別変更を断念するかの「過酷な二者択一」を迫っているとし、これが、憲法13条が保証する、 「意思に反して身体への侵襲を受けない自由」

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  • 日々流れるニュースを、様々な視点から分かりやすく解説するニュースサイト「ジャーナリスト 伊東 森の新しい社会をデザインする The Middle News Journal」のニュースレター有料版です。 いまだ私たちに伝えられてこないマスコミの情報は、残念ながら存在します。 「そもそも?」「Why?」を大事に、マスコミの情報を再編集し、様々な視点や確度から執筆していきます。 その「水先案内人」として、私の仕事が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
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