■上司が知るべき若手社員のリアル
若手社員が成果をあげた時「素晴らしい!」と大きな声でほめる、
日頃から「どうすれば若手社員に火がつくか」考えている。最近の
若手は「自分から動こうとしない」と思っている。
これらは、いずれも古い考え方や接し方だ。最近の若手社員には、
合わない。それどころか、むしろ「やってはいけない」真逆のアプ
ローチだ。
上司が「若手社員のことがよくわからない」「若手社員にどう接す
ればいいのかわからない」と上司や先輩が言う一方、若手は若手で
居づらさを感じている。
まず、良いとか悪いとか、個人の主義や主張による議論ではだめ
だ。単に時代が変わったのだ。そのことを年長者がいかに自然に受
け入れ、順応できるかがポイントだ。
★
「最近の若手社員はどうしたら火がつくのか?」という。これは管
理職向けの研修で、上司たちから頻繁に耳にする言葉だ。だが、最
近の若手社員はやる気がないわけではない。
彼らは、外部からの刺激に慣れていないのだ。そのため、やる気を
表面に出すことが不得手だ。内面では、周囲の期待に応えたい、社
会人として一人前になりたいという思いを静かに燃やしている。
つまり、火をつけようとする発想自体が古いのだ。そんな発想を持
たないことが、今の若手社員に対する現実的な対応方法だ。
若手は日々少しずつ、徐々に、緩やかに成長していくものだと考え
を変えるべきだ。そして、温かい視線で見守る。そうすることで、
最近の若手社員は安心して、やる気を成長につなげていく。
大事なことは「最近の若手はそういうものだ」と冷静に受け入れる
ことだ。「火がつかない」「変わらない」と否定的な感情は抱かな
い、それが若手との友好な関係性作りの第一歩だ。
★
最近の若手は「自ら動かない」などとネガティブな感情を抱いてい
ては、距離は縮まらない。「動かない」のでなく「動けない」の
だ。この視点に立てば受けとめ方が変わるばずだ。
支援する気持ちで歩み寄れば素直に耳を傾けるのが今の若手だ。上
司は「与えられた情報だけでは一人前になれないこと」「状況や相
手の感情を読み取って、言われずとも行動すべきこと」を教える。
若手に「言われなくても行動すべき時って、具体的にどんな時です
か?」と質問されるかもしれない。そうなったら、仕事で起こり得
ることを1つひとつ教えてあげればいい。
その上で、相手の成長のタイミングを見て「自分から動く」という
本来の意味が理解できたかどうかを確認していく。そうすれば、指
示出し上司と指示待ち部下の関係には陥らないはずだ。
★
年代や役職を問わず、仕事に前向きに取り組んで成長していくに
は、モチベーションを高め、維持していくことだ。そのためには、
「承認欲求」が満たされることが大きく影響する。
今の若手社員は、出世に対する魅力を感じない。「大きな責任を負
わされてまであわただしく日常を送るぐらいなら、そこそこの地位
でマイペースにおだやかに暮らしたい」と言う。
むしろ、彼らは貢献欲が強い。周囲を押しのけて上にいきたいとい
う思いは持たず、組織の中の一員として自分の存在を認められたい
という欲求を強く持っている。
たとえば、大きな成果を出したら「助かっているよ」と言う。見違
えるような変化を遂げたことに対しては「役に立っているよ」とい
った言葉をかける。
「いつもありがとうね」と何気ない瞬間に軽く言葉をかけること
も有効だ。こういう言葉が、若手社員の貢献欲を満たすことにつな
がるのだ。
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