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渡辺勝幸の日本一元気になるメールマガジン
第4812号 令和5年11月17日(金)
発行部数 9,983 部
【赦免すべき理由がある】
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【赦免すべき理由がある】
しかるに、このごろ、一人の友人が、
人を介してわたくしに諷して、
「野山の獄の囚人赦免の運動は止めるのがよいであろう。
もしなお続けるならば、世間は、寅二郎(吉田松陰の通称)は
罪人とぐるになっているというに違いない」
といってきました。
わたくしはこのことばを聞いて激怒に堪えず、
直ちに頭髪が逆立つ思いがしました。
ああ、何と不仁極まることばであろう。
恐らくその人の心には、
「寅二郎は幸いに出獄を許されたのであるから、
もし世の非難をうけて、また獄に陥ることになったら、無益のことだ。
自分の身さえ獄から出ればよいので、
他人のことなど心配する余裕はないはずである」
と思ったのでしょう。
しかしこれは、わが身わが家のことばかり惜しみ、
妻子のことばかり心配するという俗世間一般の態度であって、
このような人とは、とうてい、ともに伊尹の志を論ずることはできません。
もしも、野山の獄にとらえられている諸囚人が、
いずれも赦免すべき理由なき重罪をおかしたもので、
しかもわたくしが無理に彼らとぐるとなってこの妄挙をするのであるならば、
一友の忠告はまことにもっともであります。
しかしながら、彼らが、赦免すべき理由があることは、
どうか私が書いた諸篇を熟覧してほしい。
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