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第94回 会談の「可否」だけに拘泥して好機を逃し続ける日本の対中外交

富坂聰の「目からうろこの中国解説」
 アジア太平洋経済協力会議(APEC)出席のため米カリフォルニアを訪れていた岸田文雄首相は、現地時間16日午後、中国の習近平国家主席と会談した。  会談を終えた首相は、「(双方が)理解を深める上で、大変有意義なやり取りだった」と記者団に語った。  しかし、1年ぶりにやっと実現した首脳同士の対話が、今後の日中関係の「大きな前進」を予感させたのか、といえばそうではない。  この少し前、カリフォルニア郊外で行われた米中首脳会談で発せられた雰囲気と比較しても、その差は歴然だった。  米中関係の今後は、来年アメリカが大統領選挙を控えていることもあり、決して楽観できる状況にはない。だが、そんななかでも両首脳は少なくとも「競争」をきちんと「管理」するという意思を世界に向けて発信した。そして瞬間風速であっても追い風を吹かせた。  日米では役割が違うとの見方はある。しかし、それにしても見劣りは否めなかった。

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