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第240号 想い出アルバム作戦に税金投入/冒頭フレーズの美学/勤労感謝の日/きっこの誕生日

きっこのメルマガ
  • 2023/11/22
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「想い出アルバム作戦に税金投入」 もう5日も経っちゃったので「今さら感」があるかもしれませんが、この問題を取り上げないわけには行かないので、あちこちの記事を読んで食傷気味の人にも、お付き合いいただけると幸いです。で、それが何かと問われれば、バカボンのパパ‥‥じゃなくて、石川県の馳浩知事が口を滑らせちゃった東京五輪招致に関する「内閣官房機密費」を使ったワイロ疑惑です。 11月17日、東京の日本体育大学で、全国の自治体関係者による地域のスポーツ振興などを話し合う意見交換会が行なわれたのですが、そこに馳せ参じた馳知事は講演会で、いつものように自分の自慢話を始めました。馳知事は自民党の衆議院だった時代から、講演や演説のたびに自分の自慢話や手柄話をするのが大好きで、自民党候補の応援演説に行った時も、候補者のことにはほとんど触れず、自分の自慢話を長々と話していたと言われています。 で、今回の講演では、自民党の東京五輪招致推進本部長をつとめていた自分が、2013年に東京五輪の招致に成功したという自慢話を披露したのです。そして、こうしたエピソードには付き物の「当事者しか知りえない裏話」として、当時の安倍晋三首相からの指示や、実際に自分が行なったロビー活動について、次のように話したのです。 「私は当時総理だった安倍晋三総理から『馳、国会を代表して五輪招致を勝ち取れ。必ずやってくれ』と叱咤激励されました。今からしゃべることは、メモを取らないようにしてくださいね。総理は『金はいくらでも出す。出せる。官房機密費もあるから』と。」 「それで、私は周囲に話を聞き、作戦を練りました。私は大して英語もしゃべれませんが、招致はIOC委員の投票で決まります。そこで、五輪招致のためにアルバムを作ったんです。IOCの委員が選手としてオリンピックに出場した時の良い場面、活躍している写真を、K社という会社がごまんと持っているわけですよ。IOC委員は全員で105名、その全員のアルバムを作ってお土産として持参したんです。この話は外で言っちゃダメですよ、官房機密費使って作ったので。」 「K社に『なんでこんなに高いのか』と聞いたら、肖像権などの問題があり、K社はそれをぜんぶ管理して、持っているから作成できたと説明されました。今、オリンピックは肖像権とか権利関係がいろいろとうるさいんですね。写真が20枚か30枚くらいのアルバムで、1冊20万円ですよ。それを私は世界のIOC委員に持って行きました。」 「ウクライナでは、陸上のファンならご存じでしょう、(棒高跳びの金メダリストの)セルゲイ・ブブカ選手にアルバムを渡しました。こんな感じで世界のIOCの委員をまわって五輪招致を勝ち取ったのです。2013年9月7日のことでした。」 ちなみに、この5カ月前の2013年4月1日付の馳氏の公式ブログ「はせ日記」には、次のように書かれています。 エイプリフール~4月1日scene2~ 2013年04月01日 9時過ぎ、党本部の5階、五輪招致本部長室入り。 鮫島秘書といっしょに、あれやこれやと、海外出張の準備。 IOC委員への直接的な働きかけは、IOC憲章により、できない。 できないけれど、間接的な働きかけと、東京開催の意義を伝播させるためのロビー活動を進める海外出張。 (中略) 15時20分、官邸へ。 菅官房長官に、五輪招致本部の活動方針を報告し、ご理解いただく。 ・駐日大使館ごあいさつ訪問 ・国際会議出席 ・国際的なロビー活動 ・ともだち作戦 ・想い出アルバム作戦 ‥‥などなど。 https://ameblo.jp/hase-hiroshi/entry-11503851369.html 最後の「想い出アルバム作戦」って、馳議員が本部長を務める五輪招致本部の活動方針の1つだったようですね。で、それが1冊20万円×105冊で2100万円。そして、これを世界中のIOC委員に配って歩くための海外出張費も、当然、領収証のいらない内閣官房機密費から搬出されたのでしょう。 今回の意見交換会の参加者によると、馳知事はこの話をしながら、何度も「ドヤ顔」を決めたそうです。しかし、この講演での発言を各紙が報じ始めると、その日の夜までに馳知事は「誤解を与えかねない不適切な発言であり、全面的に撤回する」とのコメントを出したのです。自民党の議員が問題発言をすると、決まって「誤解」という言葉でお茶を濁そうとしますが、今回の場合は、伝聞でもなく、仮定の話でもなく、馳知事自身が自分の体験談を話したのですから、こちらが誤解する余地など1ミリもありません。 自分が話した自分の体験談が「事実でなかった」と言うのであれば、馳知事は講演で「嘘の作り話」をしたことになります。そして、そうであれば、「誤解を与えかねない不適切な発言」という説明ではなく、「嘘をつきました」と説明して、撤回と謝罪をするのがスジです。 でも、ここまで具体的に、当時の安倍首相からの指示まで明言しておきながら、その内容がすべて「事実でなかった」と言うことなど考えられません。それに、馳知事の発言の真偽を確認することは簡単ですから、野党の議員が確認すれば良いのです。それは、馳知事が名前を出したウクライナのセルゲイ・ブブカ氏を始め、当事のIOC委員を複数人、訪ねて行き、日本からプレゼントされたアルバムを持っているか、確認すれば良いのです。

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