メルマガ読むならアプリが便利
アプリで開く

週刊金融日記 第601号 防衛費を増やすほど日本は危なくなる不都合な真実と身も蓋もない台湾有事

藤沢数希メールマガジン「週刊金融日記」
// 週刊金融日記 // 2023年11月21日 第601号 // 防衛費を増やすほど日本は危なくなる不都合な真実と身も蓋もない台湾有事の解説 // OpenAIでお家騒動勃発 // 深センで割れたiPhoneを直してきました // ChatGPTは語学学習の友 // 他  こんにちは。藤沢数希です。  週末には、AIトップ企業のOpenAIで、すごいお家騒動がX上で起こっておりました。なんとカリスマ創業者のサムが突然に取締役会でクーデターを起こされ解任されます。そしたら、次の日に大株主のMicrosoftがサムをうちのAIチームのヘッドとして雇うと言い出して、OpenAIのエンジニアたち(700人ちょっといるらしいですが現時点でそのうち600人以上)が、サムをクビにした取締役たちに対して、お前らすぐ辞任してサムを呼び戻せよ、そうしないなら俺たちMicrosoftに行くわ、と言っている状況です。  これはなかなかすごい展開ですね。目が離せません。 ●元OpenAIのアルトマン氏ら、Microsoft入りへ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN207R30Q3A121C2000000/ ●このままサム・アルトマンがMicrosoftへ入社するとMicrosoftは実質的にOpenAIの全てを入手することになる https://gigazine.net/news/20231121-openais-misalignment-and-microsofts-gain/ 『週刊金融日記 第593号 AIバブルはそろそろ崩壊します』  今週も読者から興味深い投稿がいくつもあります。見どころは以下のとおりです。 - 戦時にはデジタル革命に置いていかれたアナログ文化のままの日本は有利になるのでは - 所長は池田信夫先生とは絶縁状態なのでしょうか - どうすれば英語のLとRの聞き分けができますか - ChatGPTは中国語の勉強でも使えました  それでは今週もよろしくお願いします。 1.防衛費を増やすほど日本は危なくなる不都合な真実と身も蓋もない台湾有事の解説  正直に白状すると、僕は防衛や安全保障についてまともに考えることなく、これまで生きてきて、実際に、それでまったく問題がありませんでした。留学していた時もそうですし、日本や香港など、僕が住む可能性のある地域が戦争に巻き込まれる確率=0%と決め打ちして、余分な思考リソースをまったく投入してこず、結果的には、実際に紛争みたいなもんにはかすりもしてこなかったわけで大正解でした。  こういう話題は、右とか左とか、なんかイデオロギーの人たちが妙にエキサイトして議論してんなぁ、なんかよくわらんけど、おバカな人たちなんだろう、ぐらいに遠くから見て思っていたわけです。僕はノンポリ(nonpolitical、政治運動に関心がない人)ですが、この右と左という概念も、ユダヤ人同様にわかりにくいです。簡単にいうと、右はナショナリズムと関連付けられ国や民族というものを大切にしているようです。悪く言うと戦争やりたい、良く言えば国を守るためなら命を投げ出して戦うことが美しいと思っている思想です。左は平和主義者で人類みな兄弟で、悪く言えば、敵が攻めて来ても酒を酌み交わせば大丈夫みたいなイメージです。経済に関しては、右は資本主義好きで、左は社会主義好きです。  僕はノンポリとはいえ、考え方はやはり高学歴欧米リベラルに近いですから、右の人たちのナショナリズムにはギョッとする(高学歴欧米リベラルの多くは僕も含めて自分自身をグローバルシティズンと思っています)一方で、人間的にはどうも左の人たちとはあんまり合わないだろうな、という気がしていました。だから、左の人たちが言っている、平和憲法を絶対守るとか、自衛隊がちょっとなんかやろうとすると騒ぐのはちょっと違うんだろうな、右の人たちみたいにある程度は国を守るために防衛力強化が正しいんだろうな、とぼんやりと思っていました。  しかし、ウクライナ戦争が始まってしまい、21世紀の現代で、かなり近代的なウクライナという国で第一次大戦さながらの陸戦がかれこれ1年以上も繰り広げられているじゃないですか。塹壕を掘ってそこで兵士たちが銃で撃ち合っています。勇猛果敢に塹壕まで突進してきた敵兵に蜂の巣にされたり、映画の『プライベートライアン』で見たような光景が僕のXには流れてきます。 ●プライベート・ライアン https://amzn.to/47ovoic  そうかと思うと、経済的にも豊かでアメリカの最も親密な同盟国であるイスラエルという国では、あからさまなアパルトヘイト政策で虐げてきた民族からテロ攻撃で反撃されてしまい、気がついたら第二次世界大戦の時の日本本土への空爆みたいにいちおう民間人には警告したという体で避難指示のビラを飛行機からばら撒いたと思ったら、米国製の最新の兵器で女子供まとめて毎日爆殺しているという始末です。 ●この世界の片隅に https://amzn.to/3SPECzz  さらに、人類の歴史から見えるパターンを研究して投資戦略に活かしている、世界で最も成功したヘッジファンドのひとつのブリッジウォーター創業者のダリオ氏が、これは第三次世界大戦が起こる確率は50%まで上がった、と言い出すではありませんか! ●ブリッジウォーター創業者が警鐘… イスラエルとハマスの衝突受け、第三次世界大戦の可能性が上昇している https://www.businessinsider.jp/post-276756  最近は、日本の同盟国というか、戦後に日本を占領してからその後も日本を統治していると言ってもいいアメリカ合衆国が、血がつながっているとも言っていいイスラエルへの軍事支援のために、ウクライナへ送るミサイルを渋りだしたと思ったら、三正面作戦のリソースがないということで、アジアの台湾有事を避けるために中国と融和しようとしているではないですか。  こうやって世界のニュースを見ていくと、戦争は悲惨だけど、まあ、遠い国の出来事であって自分とは関係ない話だわ、とも言い切れなくなってきました。また、僕は個人のトレーディングで、グローバルマクロというダリオさんと似たようなことが最近メイン戦略ですので、やはり地政学は重要です。そこで、脳が活性化してきて、一気に地政学や戦争について勉強できました。  その結果、日本視点で見ると、直感というか、常識に反することがいろいろと見えてきたので、そのことを今日は書こうと思います。

この続きを見るには

この記事は約 NaN 分で読めます( NaN 文字 / 画像 NaN 枚)
これはバックナンバーです
  • シェアする
まぐまぐリーダーアプリ ダウンロードはこちら
  • 藤沢数希メールマガジン「週刊金融日記」
  • 藤沢数希が政治、経済、ビジネス、そして恋愛工学について毎週メルマガをお届けします。不特定多数が閲覧するブログ『金融日記』では書けないディープで具体的なお話が満載。マネーと恋愛に関する経済分析、法律論、リスクマネジメントを中心に情報をお届けします。
  • 880円 / 月(税込)
  • 不定期