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2023年11月24日号(Vol.290)-紛争解決の選択肢&イスラエルとハマスの合意-嘘か真か?

最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』
第290号(2023年11月24日号) 『最後の調停官 島田久仁彦の無敵の交渉・コミュニケーション術』 はじめに: いつもメルマガをお読みいただきありがとうございます。 さて、今週号の内容ですが、まず【1】の 『無敵の交渉・コミュニケーション術』のコーナーでは、 今週も【揉め事の解決法】についてお話しします。 これまで4回に分けて、Mediation(調停)とArbitration (仲裁)についてお話しし、 そのハイブリッド形式のMed-ArbまたはArb-Medの効用についてお話ししました。 これらはLitigation (訴訟)という選択をする前に、 当事者間で問題を解決したいと考える際に用いる方式であることはすでに触れました。 しかし【どのような時に、どの方法を用いるのが最も適しているか?】については、まだ謎が多いのではないでしょうか? (「私は大丈夫」と自信がおありの方は、今回のコーナーは読み飛ばしていただいてOKです) 今回は3つの問いを通じて、皆さんに最も適した紛争解決のためのツールを見つける方法についてお話しします。 その注目の内容は、本編をお楽しみに♪ 次に【2―国際情勢の裏側】ですが、今週も国際情勢は混沌としております。 一つ目は【北朝鮮による“軍事偵察衛星”の打ち上げ】です。 11月21日の23時前に北朝鮮が軍事偵察衛星の発射を行い、沖縄県に対しJアラートが発出されました。 未だに“何が”発射されたのか正体が確認されていませんが、何よりも異例だったのが、 北朝鮮が周辺国に通告していた発射予告時刻よりも前に発射されたことです。 北朝鮮国内で何かしらあったのではないかとの憶測が出ていますが、 これは実は『国際ルールを守るように』と北朝鮮に念押ししていた中国政府の顔に泥を塗る結果になったと思われ、 今後、中国が北朝鮮に対してどのような対応を取るのかが見ものです。 未確認情報ではありますが、韓国軍の発表では北朝鮮の軍事偵察衛星は地球周回軌道に乗ったことが確認されたそうですが、 同盟国である日本とアメリカ政府はまだ確認していないとの立場を取っています。 年明けにまた偵察衛星の打ち上げを複数回行うものと予想されていますが、その成功・失敗に関わらず、 今後、北東アジア地域の安全保障環境に大きな影響を与えるものと思います。 2つ目は【イスラエルとハマスの“一時停戦”合意】です。 仲介の任を取ってきたカタールとエジプトにあっぱれと言いたいところですが、 今回の合意の背後には、イスラエルに唯一影響力を及ぼすことが出来るアメリカ政府が イスラエルに一時停戦と人質解放の合意受け入れを迫ったことが大きいと思われます。 一応4日間の戦闘停止の引き換えに、イスラエルは囚人を解放し、ハマスは50人を目途に人質を解放することが定められました。また追加で10人解放するごとに、戦闘停止期間が1日延びるというインセンティブもつけられています。 そしてその戦闘停止と合わせ、 イスラエルはガザ地区へのエネルギー資源の搬入とけが人などのガザ地区外への脱出を許可することも合意されています。 4日間という短い限られた時間ですが、人道支援が活発化されるのではないかとの望みが出ています。 しかし、戦闘停止が始まってからしばらく経っても、 (11月23日日本時間の22時現在)まだ人質解放は実行されていないとの情報も入ってきており、 どこまで一時戦闘停止の合意が遵守されるのかは不透明です。 加えて、イスラエル軍は地上侵攻を4日間停止するものの、ガザ北部への空爆は継続することを公言しているため、 どこまで緊張緩和に繋がるかも不透明な状況で、予断を許さない状況です。 仮に約束通りに物事が進んでも、一時停戦が明けた後には、戦闘はさらに激化するのではないかと懸念しています。 3つ目は【ウクライナが陥る行き詰まり】についてです。 ウクライナの反転攻勢がうまく行っていません。 ロシアも守勢を保ちつつ、態勢を立て直し、ウクライナへの攻撃態勢をレベルアップする動きを見せています。 そのような中、一応、アメリカ政府は手元にある兵器の追加供与には応じる姿勢を示したものの、 それも年内には終わる見込みで、いよいよ2024年にはウクライナは非常に厳しい状況に置かれることになるかもしれません。 イスラエルとハマスの戦い(海外メディアではIsrael-Gaza Warと表現されています)を機に、 プーチン大統領は人道支援の重要性を強調し、盟友ネタニエフ首相に民間人の犠牲を許容しない旨を伝えていますが、 『どの口がそれを言うのだ』という反応には全く無関心を貫き、今や正義の味方的なイメージ戦略まで始めている始末です。 ウクライナ問題への国際社会からの関心と支援が薄れる間に、 一気にウクライナを叩いてしまうというのが魂胆だと多方面から聞いていますが、 具体的に何を行い、いつまでにウクライナに引導を渡すつもりなのかは、全く見えてきません。 【2-国際情勢の裏側】では、今週号もどうしてもイスラエルとハマス問題のお話がメインになりそうですが、 可能な限り、バランスの取れたお話をしたいとおもいます。 今回のメルマガも長くなりましたが、どうぞ最後までお付き合いくださいね。 それでは今週号、スタートします★

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  • 最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』
  • 世界各地の紛争地で調停官として数々の紛争を収め、いつしか「最後の調停官」と呼ばれるようになった島田久仁彦が、相手の心をつかみ、納得へと導く交渉・コミュニケーション術を伝授。今日からすぐに使える技の解説をはじめ、現在起こっている国際情勢・時事問題の”本当の話”(裏側)についても、ぎりぎりのところまで語ります。もちろん、読者の方々が抱くコミュニケーション上の悩みや問題などについてのご質問にもお答えします。
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