11月は株価が上昇しやすい時期です。
12月も株価は上昇しやすい季節です。
もしかしてひょっとすると、今の株式市場の上昇は「バブル崩
壊前の最後の一刷毛」かもしれません。
「最後の一刷毛」とは、「近い将来の景気後退」を予測して長期金
利が低下する中、株式市場がこの長期金利の低下を単純に喜んで
上昇することです。バブル崩壊の直前にはよく現れる現象です。
今のアメリカでは、実態経済、特に個人消費そのものは想定以上
に急減速していることが現場から次々と報告されています。
コロナ危機時に蓄積された過剰貯蓄が中低所得者層を中心に底を
突いています。10月からは学生ローンの返済も始まっています。
アメリカの個人消費は中低所得者層を中心に急速に冷え込み始め
ている模様なのです。
11月14日の「CPI」統計で、アメリカ経済のノーランディン
グの可能性(インフレが高止まり続けてスタグフレーション入り
する可能性)は無くなりました。
かと言って、14日の「CPI」統計では、アメリカ経済がソフトラ
ンディングする可能性が高まったわけでも無いのです。
14日の「CPI」統計で可能性が高まったのは、アメリカ経済が
ランディングする(2%インフレ目標という着地点に達する)可
能性だけ。「ランディング」の可能性の中には、もちろん「ソフト
ランディング」の可能性も「ハードランディング」の可能性も含ま
れているのです。
引き続きアメリカ経済の先行きは不透明なまま。
この「アメリカ経済ソフトランディング」の「楽観シナリオ」は、
あくまで「ソフトランディングするためのパウエルFRBの利下げ」
が「後手後手に回らない」ケースです。
今後パウエルFRBの利下げが後手後手に回ってしまったら、アメ
リカ経済は「ハードランディング」してしまうことでしょう。
ソフトランディングにしろ、ハードランディングにしろ、今後
アメリカ経済は減速して行き(=ランディングしてゆき)、FRBは
遅かれ早かれ利下げ(金融緩和)に転じます。
一方、日銀は非常にゆっくりではありますが金融引き締めへと向
かっています。日銀は段階的なYCCの修正を行なっており、来年
春にはマイナス金利解除を視野に入れています。
こういった日米の金融政策の違いから、今後は遅かれ早かれドル
安円高トレンドが始まることでしょう。
(為替相場は金利差だけで決まるものでは無いのです。)
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●ドル円の為替相場でも「ドル安円高」が始まるだろう。いや、そ
れはもう始まっているのかも知れません。
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