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vol.204:進む生成AIのビジネス応用。対話型AIが嘘をつく問題にもさまざまな解決策が

知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
  • 2023/11/27
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 204 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。 今回は、生成AIのビジネス応用についてご紹介します。 ChatGPTが華々しく登場してほぼ1年が経ちました。この間の変化は、多くの人が戸惑うほど急速なものでした。わずか1年半ほど前は、AIはエンジニアだけが注目するものであったのが、今ではデスクワーカーのほぼ全員が注目すべきものになり、業務にAIを使うというのもごくあたりまえのことになりました。 AIに関しては、「AIが人間の職業を奪っていく」という話があり、それが現実のことになり始めています。もちろん、それは大量の失業者が出るということではなく、デスクワーカーにとって生成AIは基本スキルとなり、その基本スキルを持っていない人は職を見つけるのが難しくなります。 すでに中国では、広告制作会社を中心に、画像系の生成AIを使ったことがない人は職を得づらくなっています。また、広告制作に生成AIを活用するのも珍しいことではなくなっています。 また、対話型AIでは、常にハルシネーション(幻覚を見ているかのような嘘の回答を生成する問題)が問題になりますが、このハルシネーションを解消する研究も次々と成果をあげています。 中国はどの技術でもそうですが、基礎研究に関しては層が薄く、応用研究に集中するきらいがあります。これは、中国の強みでもあり、弱みでもあります。AIの基礎研究に関しては、米国が頭抜けていて、中国はそれを追いかける展開ですが、ビジネスへの応用に関しては中国の方が積極的です。 今回は、生成AIのビジネス応用の事例をいくつかご紹介し、対話型AIのハルシネーションを解消する手法開発の研究を2つご紹介します。 知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 204 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼目次▼ 進む生成AIのビジネス応用。対話型AIが嘘をつく問題にもさまざまな解決策が 小米物語その123 今週の「中華IT最新事情」 次号以降の予定 Q&Aコーナー ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 進む生成AIのビジネス応用。 対話型AIが嘘をつく問題にもさまざまな解決策が ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今回は、生成AIのビジネス応用についてご紹介します。 生成AIや対話型AIが進化をすると、多くの人の職業が奪われるという話があります。野村総合研究所(NRI)では、「日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に」(https://www.nri.com/-/media/Corporate/jp/Files/PDF/news/newsrelease/cc/2015/151202_1.pdf#_ga=2.129153100.1117891498.1700624893-451487894.1700624893)というレポートを2015年という早い時期に公開しています。これによると、電車、バス、タクシーの運転手、一般事務員、レジ係、工場勤務者、薬剤師などがAIやロボットで代替可能となっています。 特に生成AIや対話型AIは、その高い能力から、自分の職種はなくなってしまうのではないかと不安になっている方もいるのではないでしょうか。 もちろん、「今日からAIとロボットを導入するので、君たちみんなクビ!」ということにはなりません。しかし、AIを使いこなせるスキルを持っていない人は、仕事が得られづらくなるということは近々始まると思われます。 例えば今、デスクワークの仕事で、「Excelとかは使ったことがないのでわかりません」という人が応募をしてきたらどう評価されるでしょうか。Excelを使うといっても高度なことではなく、多くの企業ではタテヨコ集計表をつくる程度の使い方であるため、半日程度の自学で対応できるでしょう。しかし、学生である間にExcelを使ってこなかったのか、ましてや中途採用では前の会社でどうしていたんだと不安になります。Excleの基本スキルがないということよりも、業務に対する積極性という点で悪い評価にせざるを得ず、採用に至る確率は低くなるのではないでしょうか。ましてや、デザイナーやイラストレーターで、PhotoshopやIllustratorなどのAdobeツールを使ったことがないという人がいたら、ほぼどこでも採用を見送られるのではないかと思います。 生成AIもまったく同じ扱いになります。特に、マイクロソフトのCopilot(WordやExcelに追加されるBingAI機能)はデスクワーカーの必須スキルになることは明らかで、何かを調べる時はググるのではなくBingAIに聞くのが標準になっていきますし、書類の内容を考える、データを整理する、プレゼン資料をつくるという作業は、Copilotに任せて、それを整えていくという働き方になります。 このようなAIを拒否して、手作業にこだわったとすると、業務のスピードと正確さと幅広さで圧倒的に劣ることになります。数年後には、業務にAIを使ったことがないという人は、何回面接を受けて採用されないという状態になるでしょう。

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