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ChatGPTを使って「ひとりブレインストーミング」を実行する手順 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.783

佐々木俊尚の未来地図レポート
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 佐々木俊尚の未来地図レポート     2023.11.27 Vol.783 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ http://www.pressa.jp/ 【今週のコンテンツ】 特集 ChatGPTを使って「ひとりブレインストーミング」を実行する手順 〜〜〜アイデアや発想は書き留めるだけでは先に進まない(3) 未来地図キュレーション 佐々木俊尚からひとこと ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■特集 ChatGPTを使って「ひとりブレインストーミング」を実行する手順 〜〜〜アイデアや発想は書き留めるだけでは先に進まない(3) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 米国の科学ジャーナリスト、マット・リドレーは「人類とイノベーション」(ニューズピクス、邦訳は2021年)という書籍で、イノベーションの本質のひとつを「アイデアとアイデアの生殖(セックス)である」と喝破しています。 たとえばスティーブ・ジョブズが「発明」したように見えるスマートフォンだって、まったくのゼロから作られたわけではありません。いまでは絶滅寸前ですが、ガラケーと呼ばれた日本の携帯電話のテクノロジーがあり、無線通信の長い歴史があり、パソコンというデバイスがあり、それらをうまく組み合わせるかたちで「手のひらの中のパソコン」としてiPhoneという概念が生み出されたのです。 だからイノベーションは、アイデアとアイデアが交差する地点で起きやすくなります。つまりは起業家や技術者や各種の専門家がたくさん集まり、さかんに交流を行う土地が最適なのです。「北朝鮮ではなくカリフォルニアであり、フエゴ群島ではなくルネサンス期のイタリアだ」とリドレーは書いています。 この「アイデアとアイデアの生殖(セックス)」は、人間社会におけるイノベーションだけでなく、個人の頭脳のなかでの思考にも当てはまります。記憶の中に貯め込まれているさまざまなアイデアや概念、事例などを取り出し、それらを生殖させる。つまりつなぎあうことによって新たなアイデアが生まれるのです。 まず前段の準備として、情報を集めて整理しておくことが必要です。これはわたしは2021年の著書「読む力」でさんざん解説したところなのではありますが、ここでもう一度整理しておきましょう。 (1)情報収集 大事なのは、いかに多様な視点からの情報を収集できるかということです。なにかのできごとがあると、それについてのニュースは同じような解説ばかりになります。例えば新しいiPhoneの発売だったら、どの記事も同じようにスペックや特徴、価格を書いているだけ。これらをいくつ読んでも、情報は多様化しません。だから「この新しいiPhoneはスマホの未来にどうつながるのか」「アップルの戦略は変わるのか」といった別の視点の記事を探すことが肝要です。 (2)収集した情報を並べ、それらから多様な視点を身につける。 異なる視点を組み合わせることで、新しい洞察やアイデアが生まれます。この際、集めた情報をメモアプリなどでリスト化し、視覚的に並べておくという方法をお勧めします。 (3)対話型AIの助けを借りる 異なる視点を組み合わせる際に、ChatGPTのような対話型AIの助けを借りるとたいへん楽になります。 具体的な題材として、多拠点居住生活を考えてみましょう。わたしはもう10年以上も前から東京と長野、福井の三つの拠点を毎月のように移動しながら暮らす生活をずっと続けていますが、新型コロナ禍でこの多拠点居住が急速に普及しました。三拠点はさすがにあまりいらっしゃらないようですが、都会と田舎の二拠点で生活している人はずいぶんと増えた印象があります。 それに伴って、多拠点生活をめぐるさまざまな研究や分析、記事などを目にすることも増えてきました。 ★都市圏と地方圏とを行き来する働き方は「幸せ」なのか? - パーソル総合研究所 https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/column/202307110001.html

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