ヒント:「定額カルモくん」は、一般的なカーリースと同様に、運営会社のナイルが個人ユーザーに車両のリースをしている事業のように見える。
しかし、その実態は、ナイルが創業以来培ってきた●●事業の得意とする「●●と連携した●●及び●●を主体とする事業」である。
加えて、個人ユーザーのサブスクリプションサービスであるにも関わらず、売上の50%以上は、●●が占めている。
今回は、2023年11月16日に、東京証券取引所グロース市場への新規上場が承認されたナイルを見ていきます。
ナイルは、創業から現在に至るまで16期連続で増収を達成しており、さらに2018年から始めた業界最安水準のカーリース「定額カルモくん」の売上高は、平均年次成長率485.3%と急成長しています。
「定額カルモくん」の急成長を原動力として、直近の第16期(2022年1月〜12月)のナイルの売上高はYoY+57.4%と、非常に高い成長率で成長していることも特徴的です。
今回の記事は、前半でナイルの事業や業績の解説、後半で「定額カルモくん」にフォーカスし、ビジネスモデルや売上急拡大の要因などを考察をしていきます。
ナイルが新規上場承認、想定時価総額は137.8億円
前述の通り、ナイルは、東京証券取引所グロース市場への新規上場が2023年11月16日に承認され、2023年12月20日に上場を予定しています。
ナイルは、代表取締役社長の高橋飛翔氏が2007年1月に創業した会社で、デジタルマーケティング事業やメディアテクノロジー事業(現在のホリゾンタルDX事業)を中心に事業展開してきました。
近年は、創業初期から取り組んでいるホリゾンタルDX事業で培ってきたDXやデジタルマーケティング技術・知見を活かし、特定産業を深掘りするバーティカルなDX事業を開発していく戦略を描いています。
ナイルの事業ポートフォリオ
上図は、ナイルの事業ポートフォリオをまとめたものです。
ナイルは、以下の2つの事業を運営しています。
(1)自動車産業DX事業
「定額カルモくん」の事業運営を主軸として、マイカーのサブスクリプションサービスを運営
(2)ホリゾンタルDX事業
顧客企業に対するコンサルティングサービスを主軸とし、生成AIによる業務自動化支援、メディア開発・運営及びデジタル広告等も手がける
ナイルのホリゾンタルDX事業は、顧客企業のコンサルティングで得た技術・知見を元に、自社メディア「Appliv」等のメディア開発・運営を行い、自社で得られた知見を顧客の事業成長支援や顧客企業のコンサルティングに還元しています。
さらに2018年から始めた自動車産業DX事業は、ホリゾンタルDX事業で蓄積した技術・知見をリアル産業に応用し、事業の立ち上げをしています。
このように、ナイルは自社のケイパビリティをうまく活かして事業拡大しており、メディア事業の成長モデルの1つの好例と言えるでしょう。
メディア事業の成長モデルの方向性としては、電力プランの比較メディアである「エネチェンジ」のように、メディアが取り扱うドメインの企業との接点を活かし、SaaSサービス提供に進む等もあります。
Q. 新規上場の電力比較メディア「エネチェンジ」がARRを重要KPIとする理由とは?
事業セグメント別売上高推移
上図は、ナイルの事業セグメント別の売上高推移です。
売上推移を見ると、ナイルの総売上高は大きく伸びており、特に自動車産業DX事業の売上高の成長が貢献していることが分かります。
2022年1月〜12月の総売上高は、41.3億円、YoY+57.4%と大きく成長しています。
内訳を見ると、以下のようになります。
●2022年1月〜12月の事業セグメント別の売上高
ホリゾンタルDX事業:22.6億円(YoY+30.8%)
自動車産業DX事業:18.7億円(YoY+108.3%)
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