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「エリクシルの旅」(後編)

BHのココロ
  • 2023/12/02
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今回は、8月末から9月中旬にかけての一時帰国について、普段のBH日記に書けないこともふくめて、豊富に盛り込んだ記録の後半をお届けします。 「エリクシルの旅:2023年夏の一時帰国の記録」(後編) 9月4日(月)  旧友の音楽史家・斉藤もとふみさんと祐天寺にあるフォンス・フローリス古楽院の院長・花井さんを表敬訪問することになりました。7月に3回ほど古楽院でオンライン講座を担当したので、その感想を聞きたかったのです。聴講生の数は院長の期待どおりだったのか、講義の内容は古楽院の色にあっていたのかといった疑問について、簡単でも良いので院長から総評をもらっていなかったからです。10時に池袋で斉藤さんと待合わせしていたのですが、どうやら朝のニュースで最寄駅を通過する電車が人身事故で止まっていることを知りました。 家族の機転で、駅から市営のシャトルバスが南古谷という駅まで出ていることに気がつき、そこからなら埼京線で池袋までほぼ予定時間に着くだろうということでした。途方にくれた人々が無理して搭乗するシャトルバスは定員オーバーのすし詰め状態で走り、少し遅れて南古谷の駅に着きました。残念ながら停車していた電車を逃しましたが、その次発に乗って予定の10分遅れで斉藤さんと合流できました。 祐天寺の駅前の商店街を抜け、住宅街へと入ったところに古楽院はあり、院長の花井さんにご挨拶もできました。古楽のオーディエンスを広げる話を中心にし、来年の僕の帰国時にジョイント・イヴェントをできないか提案しました。「スピリトゥス」をテーマに、中世ヨーロッパの宗教と医学や錬金術の講演を聴きながら、グレゴリオ聖歌を体感し、最後にスピリッツと呼ばれる蒸留酒を利き酒できるイヴェントです。さて、どうなるでしょうか。古楽院をあとにして、祐天寺の駅前で斉藤さんとランチをして家路につきました。 9月5日(火)  昨日のアイデアについて、ロジスティックをになう斉藤さんとチャットで話をつづけました。音楽と講演と利き酒のパートをつなぐために、道化や吟遊詩人のような短めの口上を語れるつなぎ役がいた方が面白いでしょうと提案し、どんな人に頼めそうかアイデアを出しあいました。古楽のオーディエンスを広げるためのイヴェントですから、意外性があった方がフレッシュで良いだろうと思うのですが、運営がスムーズな仲間内で堅実に固める案が多いような気がしました。もっと煮詰めないとダメでしょうね。会話をつづけたいと思います。 9月6日(水)  同人誌『エリクシル』の準備委員会で断続的にチャットをして、来年のイヴェントの日程を絞りこみました。同人誌発刊の記念イヴェントにしようという声があがっています。僕は同人誌の射程に幅をもたせるために幾つかの話題(鉱物、キノコ、魔女、タロットなど)と寄稿者の想定案を出しています。どちらにしても同人誌は、8月末には発刊したいと思っています。

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