「1994年から1995年のFRBの金融引き締め時」のケース
を、多くのメディアや多くのエコノミスト達は「アメリカ経済の
ソフトランディングの理想的かつ典型的なケース」としてたびた
び「引き合い」に出します。
そして、彼らは、今回のFRBの金融引き締めサイクルでも
「1994年から1995年の金融引き締め時」のように、アメ
リカ経済はソフトランディングするだろうと主張します。
この「1994年から1995年の金融引き締め」のケースでは、
確かにFRBは政策金利を1994年2月から1995年2月にか
けて3.00%から6.00%まで急速に引上げているのに、アメ
リカ経済は景気後退入りしていません。アメリカ経済はソフトラ
ンディングしています。
ところが、ところが!!!
この1994年から1995年の時期は、近い将来の景気後退を
示唆する「逆イールドカーブ」も発生していませんし、失業率は
6.6%から5.4%へと改善さえしています。
その後、FRBは政策金利を6.00%の高さで5か月間維持する
ものの、この間の失業率も0.2ポイントしか悪化(=上昇)して
いません。
この「1994から1995年の金融引き締め時」では、景気後退
を確実に判定する「サーム・ルール」での「3か月平均失業率の
0.50%上昇」も全く起きていなかったのです。
それに引き替え、今回の景気サイクルでの金融引き締めでは、「逆
イールドカーブ」は既に2022年3月から発生し続けています。
「サーム・ルール」では景気後退は目前にまで迫ってきています。
「1994年~1995年の金融引き締め時のソフトランディン
グ」と、今回の景気サイクルの金融引き締めとは、全く違う種類の
ものなのです。
今回の景気サイクルでの「アメリカ経済ソフトランディング説」
は、ただの「寝言」「夢物語」かもしれないのです。
今回の景気サイクルの金融引き締めでは、ハードランディングす
る確率はかなり高いのではないでしょうか????
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