「奇妙な価値の転倒が起こった。プロパガンダは、本来、党とナチ国家、
その政治と国防軍に仕えるという任務をおびていたのであるが、この束縛
から自らを解放し、それ独自の絶対主義を展開したのである。つまり諸官
庁はいまや宣伝活動に仕え、その美的虚構の権力要請に従順でなければな
らなかった。いまではプロパガンダが、少なくともそれを担当する大臣
(ゲッベルスのことです)の頭のなかでは、無制限に支配していた。(中
略)ゲッベルスが『精神的な戦争遂行』と呼んだものーーしたがって、頭
の中の戦争であり、無制限の狂気に陥った幻想のシナリオとしての戦争ー
ー、これが実際の戦争よりも優位に立った。実際の戦争は(中略)意味を
失い、(中略)幻想制作のための口実に、添えものに、ついには舞台装置
にして兵站業務部になった。ゲッベルスは『精神的な戦争』を宣言し、そ
して国防軍は最後の連隊をその『戦争』に譲り渡したのである」
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