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ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)2023年12月2日(土)号

ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- はじめに ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------  11月29日午後2時40分ごろ、鹿児島県・屋久島沖で、米軍横田基地(東京)所属の米空軍輸送機CV22オスプレイの機影がレーダーから消え、墜落。その後、海上で機体の残骸とみられる物や無人の救命ボードが見つかった。海上保安庁によると、オスプレイには6人が搭乗しており、海上で搭乗員とみられる男性1人が発見され、死亡が確認された。  オスプレイをめぐっては、開発段階から事故が続出し、「空飛ぶ棺桶」とも揶揄された(1) 。過去10年間だけでも、少なくとも19人が世界中で犠牲となっている。日本国内では、2016年12月、米海兵隊のMV22が沖縄県名護市の浅瀬に不時着、大破したほか、九州各地でもトラブルに見舞われている。  オスプレイについては、クラッチ内に深刻な不具合は判明(2)。アメリカ側が今年、「安全対策と取った」との報告書を出したばかりだった。  オスプレイ墜落事故は、直近では今年8月にオーストラリア北部ダーウィン沖のメルビル島で3人が死亡、5人が重傷を負った事故が。2022年3月には、ノルウェーで墜落し、4人が死亡。同年6月には米カリフォルニア州で墜落し5人が死亡。この事故では、クラッチの不具合があったことが分かっている(3)。  他方、今回の事故は、陸上自衛隊が南西地域の防衛力強化の一環としてV22オスプレイを導入し、米軍と訓練範囲を急拡大させる中での事故。ある防衛省幹部は西日本新聞の取材に対し、 「仮に(オスプレイが)飛行停止になると、戦闘に必要な人員や物資の補給能力が下がる。南西地域の防衛強化への影響は甚大だ」(4) と話す。  しかしながら、今回の事故を経ても、過去の米軍が絡む事故と同様、アメリカ側は機密保全や日米地位協定を盾に日本側の調査を認めない可能性が。 (1)新垣若菜・斎藤幸奈「死亡事故 世界中で頻発」西日本新聞、2023年11月30日付朝刊、1項 (2)新垣若菜・斎藤幸奈、2023年11月30日 (3)新垣若菜・斎藤幸奈、2023年11月30日 (4)西日本新聞「南西防衛の影響必至」2023年11月30日付朝刊、3項 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 英元首相キャメロン氏の外相復帰で問われる”元首相の品格” 日本とイギリスとの違い 「ゾンビ元首相」を生むメカニズム -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------  つい先ごろ、イギリスと日本において"元首相の品格"が疑問視される事態が発生した。イギリス政界を引退し、一般人となっていたキャメロン元首相が、現首相のスナク氏の要請に応じて、外務大臣に就任した。  イギリスで首相経験者が閣僚に就任するのは53年ぶりの出来事であり、現地ではかなり注目を浴びている。あるイギリスの元閣僚は、 「キャメロンは現代の政治史上、最大のアップグレードだ」(1) とまで評したという。  イギリスのスナク首相は、13日に内閣改造を行い、キャメロン氏を外相に任命した。保守党を率いるスナク氏は、2025年1月までに行われる次の総選挙に向けて、経験豊富で知名度の高いキャメロン氏を閣僚に起用することで、支持率の回復を目指している(2)。  実は、イギリスでは首相が退任すると、議員を辞職するケースも少なくない。そのため、キャメロン氏の"復帰"がますます注目を浴びている。  早稲田大学の高安健将教授(英国政治)によれば、歴代の英首相の中には、サッチャー氏(首相任期1979~1990年)のように上院議員に転身したり、メイ氏(2016年~2019年)のように下院議員として務め続けたりする例もあるという。  ただし、キャメロン氏(2010年~2016年)やブレア氏(1997年~2007年)、ジョンソン氏(2019年~2022年)などは、首相任期終了後に議員を辞職した(3)。  対して、日本もイギリス同様、議院内閣制の国でるが、日本の元首相たちは政界から引退することが少ない。  菅義偉氏、野田佳彦氏、菅直人氏、麻生太郎氏など、首相経験者たちは現在も議員として活動を続けている。この状況は、「ゾンビ元首相」と呼んでいい事態だ。なぜ、イギリスと日本では、ここまで違いが生じるのか。 目次 ・キャメロン元首相とは

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  • 日々流れるニュースを、様々な視点から分かりやすく解説するニュースサイト「ジャーナリスト 伊東 森の新しい社会をデザインする The Middle News Journal」のニュースレター有料版です。 いまだ私たちに伝えられてこないマスコミの情報は、残念ながら存在します。 「そもそも?」「Why?」を大事に、マスコミの情報を再編集し、様々な視点や確度から執筆していきます。 その「水先案内人」として、私の仕事が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
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