━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
vol. 205
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。
今回は、若者が注目をする新しい職業についてご紹介します。
中国では、政府がほぼすべての職業について、職業カタログをつくり、その職業に必要な技能や知識の定義を行うということをしています。中には、医師や弁護士のように、その技能や知識を持っているかの認定試験を受け、合格をしないと業務が行えない国家資格に相当するものもあります。また、認定をされなくても、その業務はできるものの、認定を取ることが推奨されている職業もあります。この辺りは、いかにも社会主義的な仕組みです。
しかし、この職業カタログがあるために、若者がその中から自分の目指すべき職業が見つけやすくなっています。国に認定されれば、専門学校や大学でも養成コースが設置されます。
しかも、この職業カタログは、毎年のように新職業が追加をされていきます。電子競技員、ネット販売師は近年追加された新職業で、その職業を目指す若者が増えています。
このような職業カタログを国がつくることで、人材の流動を高めることになり、中国社会は急激な変化に対応できるひとつの理由にもなっています。
今回は、この職業認定の仕組みをご紹介し、若者から注目されている新職業についてご紹介します。
知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 205
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼目次▼
電子競技員、ネット販売師、ネット配音員、陪診師。続々生まれる新職業。国が新職業を認定する理由とは
小米物語その124
今週の「中華IT最新事情」
次号以降の予定
Q&Aコーナー
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
電子競技員、ネット販売師、ネット配音員、陪診師。
続々生まれる新職業。国が新職業を認定する理由とは
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今回は、若者から注目されている新職業についてご紹介します。
中国の失業率が下がり始めています。2022年は、感染再拡大やリベンジ消費の不発が重なり、失業率は22年4月に6.1%という高いものになりましたが、それ以降下がり始め、現在は5.0%で落ち着きを見せています。
▲全国の失業率と31大都市の失業率の推移。失業は大都市で起きていた。国家統計局のデータより作成。
全国の失業率と31大都市(直轄市と省都級都市)の失業率を比較すると、22年5月には31大都市失業率が6.9%になるという危機的状況になりましたが、これも下がり始め、現在は全国失業率と同じ5.0%に落ち着いています。まだまだ予断は許さないものの、当面の危機は過ぎ去ったと言っていいかもしれません。
このグラフからわかるのは、これまでの高い失業率が大都市由来のものであったことです。
別の角度からも同じような状況が見えてきます。次は、本地戸籍失業率と外来戸籍失業率の比較です。
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)