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第96回 COP28から透けて見える中国の新エネルギーとEV、外交のしたたかな戦略

富坂聰の「目からうろこの中国解説」
 国連の気候変動対策会議「COP28」が日本時間の30日午後、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開幕した。国や業界の利害がぶつかるテーマとあって、それぞれの駆け引きが初日から交錯した。  なかでも環境問題に熱心な欧米が開催国・UAEなど化石燃料の輸出国に向ける目は厳しい。  会議を取上げた英『BBC』は、「石油大国が気候変動対策会議の主催国となるのは悪い冗談の始まりのよう」と早速産油国をけん制。フランスのテレビ局も番組の中でUAEの人々の一人当たりの石油消費量の多さに焦点を当てた。また今回のCOP28の焦点の一つが化石燃料からの脱却だとして、「液体天然ガスの最大の生産国であり、輸出国としても世界最大のアメリカの果たす役割は大きい」と、専門家の言葉を借りて化石燃料の輸出国の責任にも言及した。  COP28のもう一つの重要テーマは気候変動によって被害を受けた途上国を支援する基金の創設だった。議長国・UAEのスルタン・アル・ジャベル産業・先端技術相は、自国に厳しい目が向けられていることを意識しつつ「世界が変化する必要性は承知しており、行動している」と発言。初日に基金創設の合意をまとめ上げた。  こうした応酬のなかにあって、いま一つ存在感を示せていないのが中国である。

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