指標が示す暗い予告とは
自己過信の罠に嵌まった
古典的製造業信仰の限界
新BRICSは烏合の衆
習近平・中国国家主席は現在、最大のピンチを迎えている。中国の不動産バブル崩壊によって、経済の根っこが大きく揺らいでいることだ。習氏は、憲法を改正して国家主席の任期である2期10年を撤廃し終身国家主席を目指している。中国を取り巻く危機は、全てここから始まっている。習氏一人が、中国政治を取り仕切ろうとすること自体に間違いの根源がある。助け船になるべき改革開放派が排除された結果、経済路線の変更が不可能だ。
日本固有の陸上競技である駅伝は、タスキをつないでゴールを目指す競技である。これは、民主政治のスタイルでもある。習氏は、駅伝を拒否してマラソンでゴール(中華民族再興)を目指すそうとしている。だが、レース途中でバブル崩壊という大きな岩に行く手を塞がれている形だ。選手交代できないところに、悩みの深さがある。
習氏は、なぜ改革開放派をすべて排除したのか。市場経済化が進めば進むほど、共産主義の正統性が希薄化することへの恐怖である。これが、やがて中国共産党の正統性を揺さぶる事態になるからだ。習氏はそこで、市場経済化にストップをかけるべく、「共同富裕論」を持ち出した。この共同富裕論は、中国共産党の象徴だが中身はゼロである。これを実現する政策手段がないのだ。単純なアドバルーンに止まっている。
指標が示す暗い予告とは
「共同富裕論」の精神に基づけば現在、3000万戸とされる住宅未完成工事住宅が放置されている。これ自体が、大きな矛盾なのだ。毎月、消費者は住宅ローンを払いながら購入した住宅が、未完成のままに放置されている。こういう事態は、法的にもあり得ないことである。いくら、民間の取引といえども政府が介入すべき対象であろう。中国指導部は、これに無関心を装っている。財政負担が増えるからだ。共同富裕論から外れた対応である。
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