【クリスマスの戦争】
「田中くん、入口のガラス拭いといて」
「えー?、何で俺なんですか?」
「掃除も仕事だよ、トイレ掃除がいいか?」
「分かりました。やればいいんでしょ」
田中はマネージャーに気に入られているので、態度がでかかった。
しけし、だからといってえこひいきするのは嫌いなので、平等に掃除もさせようと思ったのだが、仕事ができるのを盾にいままで掃除を免除されていたので、ふてくされていた。
自分でやった方が早いのだが、店長として支持することに慣れるためにあえて指示してから
野菜の仕入れに出かけた。
ふてくされる態度は気に入らないが、それでもちゃんと仕事をしてくれるので可愛いもんである。
近くの野外市場にきてトマトと他の材料を購入した。その市場には人が賑わっていて楽しい気分になれた。
束の間の至福を味わって店に帰ってきた。
田中はちゃんと掃除をしただろうか?
裏口からではなく、あえてお客様の入り口から店に入っていった。
「えっ?」
一瞬目を疑った。
掃除をしていないどころか、前よりも汚くなっていた。
みつおは怒りを抑えて田中を呼んだ。
「ガラス拭きした?」
すると、平然と
「はい、拭きましたよ」
「えっ、汚いじゃん、どうやって拭いたの?」
「だこら、雑巾を絞って全面拭きましたよ」
と当然のような顔をしている。
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