■質問のはじめ方
質問は、大切なことを教えてくれる。また相手のやる気を引き出す
こともできる。さらに、考えるべき論点も明確にしてくれる。質問
は最強のコミュニケーションスキルなのだ。
質問で人間関係を円滑にできる。だから、コミュニケーションの達
人ほど、相手と会った瞬間に質問を投げかける。しかも、それは挨
拶と同時だ。
「話しかける」より「話しかけられる」方が人は嬉しい。話しかけ
られるということは、自分に興味を持ってくれている証と感じるか
らだ。一流はそれをよく理解しているから先に話しかけるのだ。
一流は、常にコミュニケーションのベースを相手に置く。だから、
相手が喜ぶことを先にやる。話し始めて数分で質問をするのは二流
だ。常に質問される側であれば三流だ。
まず「挨拶+質問」の公式で実践する。「〇〇さん、おはようござ
います」+「昨日は遅かったようですね」という具合だ。自分のペ
ースで会話が進むし、相手も快く話してくれるはずだ。
★
相手が初対面の場合、情報も少ない。だから「何を話そう」と考え
てしまう。緊張してうまく話せない。そんな時こそ「うまく話す」
から「うまく質問する」に発想を転換してみる。
うまく言葉が出てこないのが三流で、自分が聞きたいことを質問す
るのは二流、相手が話しやすいことを質問するのが一流だ。話しや
すいこととは、互いの半径1メートルにあるような身近な話だ。
名刺を交換したら「会社は渋谷なんですね。渋谷は長いんですか」
という具合だ。名刺という目の前の情報を通じた会話をするのだ。
質問する方は質問しやすいし、答える方も答えやすいからだ。
そして徐々に話題を発展させて、遠心力を使って会話を広げていけ
ばいいのだ。目の前の情報をよく見つめてみれば、質問できる情報
はいくらでもあるはずだ。
★
質問したいことがたくさんある時、一流は「質問が3つあります」
と最初に質問の数を伝える。これを伝えず、いくつも質問される
と、相手はいつまで質問が続くかわからず答える準備ができない。
質問する際のルール1は「質問と回答は一対一で」だ。一つ質問し
て、一つ答えてもらう。答えてもらったら次の質問へ進む。こうし
て一つずつ答えてもらえば、相手も混乱せずに済むものだ。
ルール2は、3つ以上質問しないことだ。人間の脳のキャパシティ
的にも3つまでが記憶に残りやすく、それ以上になると急に覚えづ
らくなるからだ。そう決めておけば相手の脳にも優しい。
ルール3は、質問数をカウントすることだ。ルール1とルール2か
ら考えると、複数質問したい場合、選択肢は自動的に「2つか3
つ」になる。
この3つのルールを徹底すれば、相手は質問の内容を整理する手間
を省ける。このように常に相手を気遣って質問するべきだ。相手の
立場で対話を設計するのが、一流の思考回路なのだ。
★
指示を仰ぐ時、「どうしたらいいですか?」と質問するのは三流
で、自分の意見を入れて質問するのは二流だ。一流なら、複数の選
択肢を示しながら指示を仰ぐはずだ。
「AとBというパターンがあります。私はAでいきたいと考えてお
りますが、いかがでしょうか?」という具合だ。こういう質問の仕
方をして、選択肢を複数用意しておくのだ。
何事も比較検討できる状態で質問すると、相手は選択しやすくな
るものだ。また、複数選択肢があるからこそ、第三の選択肢も出や
すくなるのだ。
このように、相手が答えやすい質問に昇華させていくことが大事
だ。相手に選択肢を示すようにするだけで、質問のクオリティが格
段に上がっていくものだ。
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