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伏木悦郎のメルマガ『クルマの心』第530号2023.9.26配信

クルマの心
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□     伏木悦郎のメルマガ『クルマの心』            第53号2023.9.26配信分 ●久しぶりに昔の名画を観た  久しぶりに『グレンミラー物語』を観た。所有しているDVDの 一枚だが、徒然なるままに観る気になったのだ。最初は”寅さん” (の最終48作目)を何気なく手にしたのがそもそもの始まり。次は 何かなと『ローマの休日』のオードリーを久しぶりに観たくなり、 その次はと勢いに任せてパッケージを開いた。まあ流れの内という ことになるわけで、お次ぎは何だと『カサブランカ』に手が伸びよ うとしている。  我が身の行き詰まりを絵に描いたような展開だが、世の中生きて いることに無駄はないということだろうか。映画に登場するクルマ 好きのチャーミー・マクレガー(グレン・ミラーの親友)が良い。 彼所有のフェートンからベン・ポラック楽団のオーディションに通 って乗り換えたピアス・アローの姿に改めて感じ入った。  映画は続く。数年後、ニューヨークで主役のジェームス・スチュ ワート演じるグレン・ミラーがコロラドから呼び寄せたヘレン・バ ーガー(ジューン・アリスン)の才覚を得て自前のバンドを持つ。 ドラマには違いないが実在の人物の話。さもありなんが随所に現れ る。興行の移動の際に、泥濘に足(タイヤ)を取られて立往生する シーンがある。なるほどそうか「当時のアメリカでも郊外路は未舗 装が当たり前だったのか」1930年代と言えば無理もないだろう。  現代人は、とかく今ある状況を基準に過去を捉えがちだ。生まれ る前の話だとしたら想像することすら困難になる。  その昔『ナショナルジオグラフィック』という世界的に名の知ら れた雑誌があった。そこに”農民を泥濘から救え”というタイトル でUS1という東海岸を貫くハイウェイを特集した号があったこと を思い出す。多分ヘンリー・フォードのモデルTとも重なる話だが、 考えてみればアメリカは歴史の浅い国。ニューヨークマンハッタン など都会を除けば、当時郊外道路の舗装は未完だったに違いない。  映画は私が生まれて2年の1954年の製作公開(撮影は1953年)。 オードリー・ヘプパーンのハリウッドデビュー作となる『ローマの 休日』はその前年の公開だった。いずれも私とほぼ同世代の映画と いうことになるが、そこに描かれている第二次世界大戦を挟んだ社 会は今とはまるで異なる。風俗や環境をみる資料性は抜群だ。 片やモータリゼーション発祥の地アメリカと歴史に溢れる永遠の 都イタリアのローマ(何故『ROMAN HOLIDY』かというとダイムラー AGが初代メルセデスベンツCLSの試乗会をローマのチネチッタで催 した。その時のノベルティとして『ローマの休日』のDVDをくれた 訳です。CLSのコンセプトが"La dolce vita=甘い生活"ということ

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  • クルマの心
  • 価値観が大きく変化しようとしている今、なすべきことは何か? このまぐまぐ!のメルマガ『クルマの心(しん)』を始めて多くのことに気づかされました。ずっとフリーランスでやって来て40年、還暦を迎えたこの段階でまだまだ学ぶことが多いですね。どうしたら自動車の明るい未来を築けるのだろうか? 悩みは尽きません。新たなCar Critic:自動車評論家のスタイルを模索しようと思っています。よろしくお付き合い下さい。
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