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◇◆GELマガ Vol.641◆◇
〜エル・ゴラッソ鹿島担当・田中滋のメールマガジン〜
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1.楽しさと一緒にあったもの
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/【コラム】本山雅志・引退試合「モトフェス」
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試合終了のホイッスルが吹かれると両チームの選手がピッチ中央に並んだ。
ANTLERS LEGENDSの先頭に立っていた本山雅志は、ナイスジャッジで試合を
盛り上げた田尻智計主審ら審判団と握手を交わすと、対戦相手を務めてくれた
MO10 FRIENDSの面々の元へ歩み寄り握手を交わしていった。最後尾にいた杉
山哲とハイタッチした本山は、クルリと向きを変えて杉山の隣に並ぶ。今度は、
後ろに続いていた土居聖真や昌子源など、ANTLERS LEGENDSの面々に頭を下
げながら感謝の握手を交わしていく。
どんなときでも、多方面への気遣いを忘れない。本山雅志が誰からも愛された理
由が垣間見える場面は他にもたくさんあった。本山雅志の引退試合は、彼に相応
しい雰囲気のなか行われた。
試合を見ていて一番強く印象に残ったのは、久々に“鹿島のリズム”を感じた、と
いうことだった。相手FWの背後のスペースで青木剛が顔を出し、クルリとター
ンするタイミングで本山雅志や野沢拓也がスッとマークを外してパスを受けら
れる体勢をつくる。つねに大きく動きまわるのではなく、適切なタイミングで、
適切なポジションに動き出す。自然とパスコースが連なり、ゴールまでの道筋が
作られていく。パススピードは遅く、相手のプレスも遥かにゆるい。しかし、今
季見てきた鹿島のどの試合よりもサッカーが上手く見えてしまった。
試合前、本山は「みんなには楽しくサッカーをやってくれたら、僕らが楽しかっ
たら、多分見てる方も楽しいと思う」と話したという。思うようにスルーパスが
通せず苦労していたが、彼が楽しくプレーしている様子は十分に伝わってきた。
コールリーダーの求めに応じてサイドを駆け上がった新井場徹や、ヒール役を買
って出てくれた坪井慶介、華麗なバイシクルシュートを曽ヶ端準相手に決めて思
い切りガッツポーズしていた田代有三など、脇を固める面々も試合を持ち上げた。
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