駄才御猿、舞台で乱入ダンス 〜高知〜
土佐日記といえば高知県。私は定期的に高知県でサイン会を開いています。今年は屋内ステージで他のアーティストとパフォーマンスするイベントがあり、その中でサイン会をすることになりました。パフォーマンスは歌や踊りがメインで、私だけがサイン会を開きます。他の演者のパフォーマンス中に乱入することも可能で、投げ銭がもらえることもあります。
高知県に着きました。土佐日記の編集者も一緒です。彼と二人でステージの後方にある長机に座りサイン会を開きます。前方にステージ、後方にサイン会会場です。
パフォーマンスが始まりました。創作ダンスを行うグループの番。彼らは男女ユニットで、女性は赤い服を着て黒髪をなびかせながら思いのままに踊っています。黒ニット帽を被った男性は、舞台にある楽器を適当に拾いながら即興音楽を奏でていました。和風のリズムで、お正月を連想させる笛の音を鳴らしながら女性がゆっくりと踊り、か細い声で何か囁く、少し不気味で引き込まれるダンスでした。
ダンスが5分ほど経過した頃です。私は舞台に乱入していました。
「小説家なら、話の一つでもしてみせんかい」
黒ニットの男が私を焚き付けます。頭が真っ白です。舞台に登ったは良いものの、その後を全く考えていなかったのです。私は舞台の隅にある台の前に座ってマイクを手に取り
「マー」
か細い声をあげたのです。女性の真似をしました。小噺などできる状態ではありません。
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