■上司ガチャ
合わない上司や無能な上司に悩む人は少なくない。ビジネスの現場
では、いくら優秀でも周囲の人間によって自分の本当の力を発揮で
きずに終わるということはザラだ。
特に上司の影響力は大きい。「上司ガチャ」に失敗した人は、自分
の実力が発揮できない、上司が自分の良さや能力を認めてくれない
などの苦しみを抱えているものだ。
この「上司ガチャ」という言葉は、一般的には「上司は選べない。
良い上司に当たるかどうかは運次第」という意味合いで使われてい
る。それは一つの真実だ。上司にも当たりハズレがあるのだ。
だが、上司ガチャは運だけで決まるわけではない。自分の意志や姿
勢次第で、自力でガチャを回すことができる。つまり、自力で理想
の上司=自分を成長させてくれる最強の上司に出会えるのだ。
★
上司ガチャの当たりハズレを決めるのは自分だ。そもそも他人と
100パーセント理解し合うことなど不可能だ。思い通りに動く人な
どいない。まずはそこを理解すべきだ。
相手に期待しすぎるのは悪だ。人それぞれ「大切なもの」は違うか
らだ。自分とは違う「相手のこと」を認め、許容するべきだ。これ
は人間関係の基本だ。
ところが、上司に関しては、多くの人が「上司は自分のことを理解
すべきだ」というフィルターで見ている。だから「わかってくれて
いない=上司ガチャにハズレた」と感じてしまうのだ。
相手が自分のことを100パーセント理解してくれることなどあり
得ない。いい意味で、相手に期待しなければ「相手も自分に同じ不
満を抱いているかもしれない」と気づけるはずだ。
★
ガチャには「レアリティ」という概念がある。これは「レア度」の
ことだ。レアリティは上司ガチャにも通用する。自分にフィットし
た理想の上司が「レアリティの高い上司」だ。
この上司ガチャのレアリティは、自分で高めることができる。その
ためには、まず自己分析が重要だ。「自分の理想は何か」「その理
想を叶えるために、どんな上司が適しているのか」を考えてみる。
その後「誰が自分のSSR(スペシャルスーパーレア)上司か」考え
てみる。同期や同僚に探りを入れるのもいい。自己分析と情報収集
をすることで当たりを引ける可能性は上がるのだ。
「上司ガチャにハズレた」という人は、そもそも自分の理想が見え
ていない。だから「ハズレ」と感じていても、実は自分にぴった
りの上司だったということもある。
「自分が、上司に何を求めているか」を知ることだ。ひいては自分
が何を重視していて、何を成し遂げたいか、上司と出会ってどう成
長したいのかを理解することだ。
こうすることで漠然と描いている「理想の上司」の具体性を突き詰
めていくことができるのだ。すると、既に周囲に「理想の上司」が
いることにも気づけるはずだ。
★
人が変わるチャンスは様々ある。だが大人になると簡単には変われ
ない。そんな中、上司ガチャは、自分が変わる大きなチャンスだ。
会社にいれば、上司ガチャの機会はたくさんあるのだ。
そのガチャは自分で何度も引くことができるし、自分で当たりを出
すこともできる。つまり、上司ガチャは、いくつになっても成長
し、最強になれるチャンスをくれるのだ。
ただし「上司ガチャ」を「与えられた運命」として嘆くだけではだ
めだ。自分が成長し、自分と未来を変えるために「自分で未来を切
り開くためのチャンス」として捉えることだ。
そんな意味のある転機が上司ガチャだ。そのためには、自分を理解
すること、そして相手=上司を理解することだ。これこそが、上司
ガチャを自分で回し、当たりを引き当てる大前提なのだ。
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