ドル円相場がドル安円高へと大きく動きました。
12月7日までは1ドル147円台でしたが、8日の正午には
1ドル143円台前半まで円高が進行しています。
昨日12月7日、植田日銀総裁が参議院の財金委員会で「チャレ
ンジングな状況が続いているが、年末から来年にかけて一段とチ
ャレンジングな状況になると思う」と発言したことが引き金に
なりました
この発言を引き金に、市場は「マイナス金利の解除が近い」と判
断、市場関係者の70%弱が「2024年4月までにマイナス
金利は解除されるだろう」と見込むようになりました。
今回の植田発言は、為替市場がいつまで経っても日米金利差だけ
に注目して動いていている「ゆがんだ為替市場の状態」「に対して、
「日銀としても業を煮やしていた」結果としての発言でしょう。
行き過ぎた円安がなかなか修正されない状態が続けば、輸入物価
がなかなか下がらず、日本の内需はますます冷え込んでしまいま
す。「行き過ぎた円安」という「市場のひずみ」は日銀としても
「正したかった」ところだったでしょう。
そこで植田日銀総裁は、「日銀は穏やかながらも引き締めへとチャ
レンジしている」との明快な発言をすることで、為替市場を覚醒
させたのだと思います。
兼ねてからこちら貞子メルマガでも幾度もお伝えしておりますよ
うに、今のアメリカFRBは利上げを停止して利下げさえ見込み始
めている段階にいます。一方、今の植田日銀はYCC修正と共にマ
イナス金利解除を検討する段階へと向かっています。
今のFRBは金融緩和の方向へ向いていて、日銀は穏やかながらも
金融引き締めの方向に向いてるわけです。
両者の金融政策の方向性の違いから、ドル円の適正な為替相場は
「ドル安円高トレンド」です。
昨日から今日にかけての為替変動も急激でしたが、
7日の植田日銀総裁の「為替市場への覚醒を促す」発言がなかっ
たら、遅かれ早かれ「もっと急激で激しい為替変動」が巻き起きた
危険性がありました。
為替の変動をより穏やかにするためにも、7日の植田日銀総裁
の発言は正しかったと思います。
12月18~19日には、日銀の政策決定会合が開かれます。
この会合では政策変更は無いでしょうが、「日銀は2024年
4月までにマイナス金利を解除する準備がある」という
フォワードガイダンスが示されることでしょう。
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