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知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
vol. 206
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みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。
今回は、中国語の入力方法についてご紹介します。
読者のみなさんは、中国語を入力する必要があるという方も多いかと思います。多くの方は、フルキーボードでピンイン入力をするという方法を使われていることと思います。日本語のかな漢字変換と同じ感覚なので、覚えやすいということもあるかと思います。
しかし、中国語の入力方法はこれだけではありません。スマホでは、九宮格というテンキーで中国語を入力する方法もあります。また、フルキーボードでは双拼入力というのがあり、これだとどんな漢字も2ストロークで入力することができます。双拼による入力は非常に早く、習熟すると話し言葉をリアルタイムで筆記していくことも可能になります。
今はの若い世代は、スマホでもPCでもフルキーボードによるピンイン入力を使う人が多くなっていますが、スマホの九宮格や双拼入力の方が効率よく入力できることは知っていって、SNSなどでは「どの入力法を使うべきか」「覚えるのにどうしたらいいか」などの話題は常に盛り上がっています。
重要なのは、文字入力の点では、世界でも最も不利だったはずの中国語が、今では非常に効率的に入力できる言語になっているという点です。中国は、入力方法を進化させる歩みを止めることなく改善をし続け、効率を追求してきました。
今回は、この入力方法の変遷をたどり、それぞれの入力方法がどのようなものであるのかを簡単にご紹介します。
知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 206
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▼目次▼
中国語は、どのようにして入力効率を高めてきたのか。九宮格、ダブルピンインなど、ピンイン入力だけではない中国語入力。
小米物語その125
今週の「中華IT最新事情」
次号以降の予定
Q&Aコーナー
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中国語は、どのようにして入力効率を高めてきたのか。
九宮格、ダブルピンインなど、ピンイン入力だけではない中国語入力。
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今回は、中国語のピンイン入力ついてご紹介します。
読者のみなさんの中には、日頃からバリバリに中国語の文章を書いている方から、中国語はさっぱりわからないという方までいらっしゃると思います。中国語の文章を書かれる方はいずれかのピンイン入力を必要なレベルでマスターをしていらっしゃるでしょうし、中国語になじみのない方にはピンインという言葉すらよくわからないと思います。
今回は、さまざまな中国語の入力方法を歴史順にご紹介していきますが、あまり細部には触れないようにします。ご紹介したいのは、入力方法のやり方ではなく、中国が常に貪欲に効率的な入力法を開発し続けているということだからです。
コンピューターが登場して以来、文字はペンを使って書くものではなく、キーボードから入力するものになりました。これにより、中国、日本、韓国といった2バイト文字圏はコンピューターを効率的に使うという面で、英語などの1バイト文字圏に比べて圧倒的に不利になりました。
英語などの1バイト文字は、すべての文字をキーボードに並べることができるため、配置を覚えれば簡単に入力することができます。しかし、漢字やハングルでは文字数が多いために、すべての文字をキーボードに並べることができません。複数のキーを組み合わせて、ようやく1つの文字が入力できるのです。
日本語の場合、ローマ字かな変換を使うのが一般的ですから、1つのひらがなを入力するのに2回のストロークが必要になります。しかも、その後にかな漢字変換があります。苦労して「やまなし」と4文字(9ストローク)を入力しても、変換をすると「山梨」という2文字に圧縮されてしまいます。つまり、2文字を入力するのに11ストロークも必要なのです(変換キーと確定キーを押す必要がある)。
では、中国語ではどうでしょうか。最も効率的と言われる「双拼」(ダブルピンイン)入力では、1つの漢字を入力するのに2ストロークですみます。つまり、山梨は4ストロークで済むのです。中国語は、双拼入力の登場により、かなり効率的に入力できる言語になりました。
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