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渡辺勝幸の日本一元気になるメールマガジン
第4833号 令和5年12月8日(金)
発行部数 9,759 部
【お供えの肉を公平に分けること】
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【お供えの肉を公平に分けること】
しかしながら、以上のわたくしの考えに対し、
例の人物は心で、必ず次のようにいうでしょう。
「禹・稷・伊尹の行動は、いずれも天下の人々のためであったから、
よしその身を犠牲にしてもかまわぬとするものがあったのである。
しかるにいま、寅二郎が運動している野山の獄の運動は、小事にすぎない。
取上げるに足りないのである」
と。これもまた不仁のことばです。
人の命は極めて重い。
それは一人の命も十人の命も百人の命も同様です。
わたくしが今、わが身のことばかり考えて野山の獄のことを考えないならば、
囚徒の十一人は、永久に太陽を見ないで死ぬほかはないのです。
もしわたくし一人の命を十一名の命に替え得るならば、
わたくしは、もちろん、わが身を問題とするに足りないのです。
さらに、昔聞いたことがあります。
漢の陳平がまだ漢の高祖に遭わなかった時、
家が貧乏ではありましたが、
書物を読むことが好きでありました。
ある時、里中の社の祭に、平はそのほう宰となり、
お供えの肉を切って里人に分ける仕事を主どりましたが、
分け方が公平であったので、里中の長老は、
この若者の仕事ぶりはすばらしい、と褒めたところ、
彼はこれを聞いて
「ああ、わたくしに天下の政治を主どらせるならば、
この肉を分けるように公平に行うものを」
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