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第97回 欧州連合(EU)との首脳会談で歩み寄っても、なお残る中欧関係の不安定材料

富坂聰の「目からうろこの中国解説」
 世界最大の発展途上国と世界最大の先進国の連合体の会談。  習近平国家主席は中国とEUをそう位置付けた後に、訪問したEUのシャルル・ミシェル大統領とウルズラ・ゲルトルート・フォンデアライエン欧州委員長にこう語りかけた。 「中国と欧州には世界にさらなる安定性をもたらし、発展により推進力を与えるために共同して取り組む責任がある」  以前の記事でも触れたように、中国はアメリカに対峙するのと同じく中欧関係でも、その好悪を「世界を安定させる責任」とリンクさせることで、対立からの回避をはかろうとしている。  このロジックに従えばアメリカが仕掛けるデカップリング(経済切り離し)や封じ込めの動きは、世界経済に与える負の影響を無視して競争に拘泥する自分勝手な行動となる。  つまりデカップリングに同調するEUも自動的に世界経済を顧みない連合体となるというわけだ。

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