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「世界経済・市場花だより」第650号 大荒れの円相場、米株は週末にかけて危険なリバウンド/荒れ模様が続きそう

馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」
******************************* 馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」  ******************************* 第650号(2023/12/10) 大荒れの円相場、米株は週末にかけて危険なリバウンド/荒れ模様が続きそう この週刊「世界経済・市場花だより」は、めまぐるしく変化する世界の経済や市場の動きなどについて、ブーケ・ド・フルーレット馬渕治好が、わかりやすく解説します。 ※ 自主開催セミナーの予定です(カッコ内は、現時点でのお申し込み数/定員、です)。残席は、10を下回った場合に表記します。 12/23(土)名古屋(5/25) 1/7(日)浜松町(4/30) 1/27(土)高岡(1/25) 2/3(土)大阪(2/18) 2/10(土)浅草(10/20) 2/17(土)福岡(1/20) 2/24(土)ウェブ(5/150) セミナーのスケジュールは、 http://bd-fleurettes.eco.coocan.jp/sub3.html のページの下の方にあります。詳細やお申し込みは、それぞれのリンク先をご覧ください。 上記ページには、自主開催以外のセミナーの予定も載っています。 ☆過ぎし花~先週(12/4~12/8)の世界経済・市場を振り返って <円相場は大荒れ、米国株価は週末にかけて危険なリバウンド> (まとめ) 先週は、日銀の金融政策変更に関する思惑が広がり、円相場が一気に円高に向かいました。また、短期的な相場の変動も、激しいものとなりました。 円高が日本株を押し下げる方向で働きましたが、円相場の急変自体が騒ぎ過ぎの感がありますし、現時点まででの円高が、日本の輸出企業の収益に致命的な打撃になる、というわけでもありません。ただ、元々日本株は買われ過ぎであって何かきっかけがあれば脆く崩れやすい地合いにあったことに加え、これまで「円安だから日本株は大丈夫」と騒ぎすぎてもいたので、日本株の下落は当然の展開ではあったと考えます。 米国株価については、週初は先々週の magnificent seven の株価調整の地合いを引き継いで軟化していましたが、週末にかけて(特に雇用統計の堅調な内容を受けて)「景気が強いから株価は上がってもよい」といった手のひら返しの楽観論に飲み込まれており、かえって先行きの株価下落が懸念される事態です。 (詳細) 先週の世界市場で、特に波乱の展開となったのは、円相場でした。短期的な市況の振れが大きかったですし、全面的な外貨安・円高となりました(米ドル安は他通貨に対しては堅調な推移でした)。 きっかけは日銀の正副総裁の発言でしたが、かなり騒ぎ過ぎの感が強いです。また、たとえば一時の1ドル150円強から先週末の145円程度の円高になったことで、日本企業の収益が大幅な減益に陥る、というわけでもありません。 ただし、元々の日本株が楽観に過ぎるため、何であろうと悪材料視されるものが台頭すれば、株価は脆くも崩れやすい地合いであった、と考えますし、これまで「円安だから日本の輸出企業の業績は押し上げられ、日本株も上がるに決まっている」との「円安バンザイ」が余りにも声高に唱えられ過ぎていたので、先週日本株が下落したのはまったく違和感はありません(以上について、詳しくは、後の「盛りの花」で述べます)。 米国株については、12/6(水)辺りまでは、先々週に台頭した、いわゆる「magnificent seven」(素晴らしい七銘柄、アルファベット、アマゾン・ドット・コム、メタ、アップル、マイクロソフト、エヌビディア、テスラ)の株価軟化傾向が持続し、特に週初の12/4(月)は、この七銘柄のすべてについて、前日比で株価下落となりました。 また、12/5(火)に発表された求人件数について、9月分が955.3万件から935.0万件に下方修正されたうえ、10月分が873.3万件と市場の事前予想の930.0万件を大きく下回りました。また、12/6(水)公表のADP雇用統計については、10月分の雇用者数前月比が、11.3万人増から10.6万人増に下方修正され、11月分も10.3万人増と市場予想の13.0万人増に届きませんでした。 このため米景気に対する懸念が広がり、ニューヨークダウは3日連続で下落しました。こうした景気悪化観測は他市場にも波及し、米10年国債利回りは12/6(水)、12/7(木)の両日に、一時4.1%近辺まで低下しました。またWTI原油先物価格は低迷し、12/6(水)~12/7(木)にかけて、1バレル70ドル割れで推移しました。 しかし週末にかけての米株価は、上昇をとげ、週末(12/8、金)のニューヨークダウは36247.87ドルと、わずかな幅ながら12/1(金)の終値ベースでの年初来高値を更新しました。また週後半(12/7(木)、12/8(金))のナスダック総合指数は、ニューヨークダウを上回る上昇率となりました。 この株価上昇の背景としては、12/6(水)にグーグルが、生成AIの基盤技術を投入すると発表し、加えて同日に半導体大手のAMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)が、AI向けの新製品を発表して、また「AI祭り」が盛り上がったことが挙げられます。翌12/7(木)には、グーグルの親会社であるアルファベットの株価が前日比で5.3%上昇し、AMDは同じく9.9%上昇しました。

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