米国景気堅調でも金利は低下へ
2023年の世界経済はまさしく米国の一人勝ちでした。引き締めの影響を打ち消すだけの戦争特需も後押ししました。続く24年も米国経済は予想外に強く、それでもインフレが改善して金利の低下余地が広がりそうです。その裏に世界的な資源安と米国の生産性急上昇があります。
「強烈引き締めでも体力温存」
昨年来の欧米中銀の急激な引き締めと輸入資源高で所得が海外に奪われ、このダブル効果で主要国経済は大きな打撃を受けました。中国は近年にない景気不振に陥り、その影響はドイツや日本にも及んでいます。ロシアのウクライナ侵攻から天然ガスの供給が減った欧州はこれに追い打ちをかけられました。
その中で米国だけが好調に経済を拡大させ、今年はここまで3%ペースの高成長を維持、まさに「一人勝ち」の様相を呈しています。米国自身、ボルカー・ショック以来の急激な金融引き締めを行ない、NY連銀の景気後退確率は50%を超え、実態的には9割以上の確率で今年中に景気後退に突入すると予想しました。ところが、これに反して一人景気好調を維持し、来年に向けての体力を温存しています。
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