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『 田中優の未来レポート 』
第297号/2023.12.15
http://www.mag2.com/m/0001363131.html
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「下水オリンピック誕生の悲劇」
日本は自ら手を挙げて東京オリンピックを誘致し実現した。しかし世界の一流アスリートを招いて行ったのは下水臭い東京湾でのトライアスロンレースだった。競技を終えた選手たちはその場で嘔吐し、吐きまくった。さすがは「おもてなしの国ジャパン」だ(図1)。
図1
実はこの下水道システムは昭和6年に建設されたのだそうだ。
「今よりも人口は少なく、東京にビルなどもない時代だ。だからちょっと雨が降るともう流さなければいけない。多い年で年間120回。3日に1回くらい放出されるが、直後の水には、水中に分解されつつある状態の固形物がいっぱい混じっている。明らかにトイレットペーパーのようなものが、ふわふわの泡になって消えずに残っている。塩素も大量に混ぜているので、それと合わさった刺激臭と腐敗臭がした。すごい圧力で排水するので、お台場までは30分で到達する」
https://times.abema.tv/articles/-/7015811?page=1
のだそうだ。
ぼくは実は東京の途上国、江戸川区に昭和50年代に勤めていた。当時の江戸川区は発展真っ盛りで大きなトラックが駆け回り、下水道建設真っ盛りの頃だった。当時の下水道の建設セクションは花形職場で、予算の多くを消費するセクションだった。何より当時は大雨が降ると区内各地で洪水が発生し、土木部に勤める職員は徹夜で見守りに駆り出されるのが常だった。そんな中、下水道が作られたのだ。
ぼくは土木部にいたので、一度土木部長に聞いてみたことがある。
「なんで下水道を分流式にしないのですか」
と。
ここで説明すると、分流式とは下水(排泄物や汚水)を流す管と主に雨水を流す管とを別にし、基本的に汚れていない水を表面近くに流す仕組みだ(図2)。
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