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vol.207:国際デジタル競争力ランキングで、日本は32位。ライバルはマレーシアとタイ

知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
  • 2023/12/18
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 207 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。 今回は、国際デジタル競争力ランキングついてご紹介します。 スイスのIMDは、毎年「国際デジタル競争力ランキング」を発表しています。その2023年版が公開され、日本は32位と昨年から3つ順位を下げました。さまざまなメディアで「日本の順位がまた下がった」と報道されるため、記憶にある方も多いのではないでしょうか。 このランキングは、54の指標を調査して、それぞれを1位の国を100点として正規化をし、合計して評価するという客観的な方法により算出されています。レポートには、各数値の得点も掲載されているため、得点が高い項目と低い項目を見れば、その国のデジタル競争力の強みと弱みがわかります。 まず、日本と中国それぞれの強みと弱みをご紹介します。 もうひとつ、ご紹介したのがアジアの中での順位です。日本はこの10年、マレーシアと激しい順位争いをしています。つまり、日本の国際デジタル競争力はマレーシアと同等というのが世界での評価なのです。さらに3つ下にはタイがあがってきています。 古い感覚の人だと、シンガポール、台湾、香港あたりが上位国で、その下に日本、韓国、中国と続くという10年以上前のイメージを捨て切ることができていませんが、実態は「シンガポール」「韓国、台湾、香港」「中国」というグループが上位にあって、その下に「日本、マレーシア、タイ」があるというのが現実です。 今回は、このレポートをご紹介し、日本と中国の強みと弱みについてご紹介し、そしてアジアの中での日本の地位を考えます。 知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 207 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼目次▼ 国際デジタル競争力ランキングで、日本は32位。ライバルはマレーシアとタイ 小米物語その126 今週の「中華IT最新事情」 次号以降の予定 Q&Aコーナー ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 国際デジタル競争力ランキングで、日本は32位。 ライバルはマレーシアとタイ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今回は、国際デジタル競争力ランキングについてご紹介します。 IMDの国際デジタル競争力ランキングの2023年版が公表になりました。国際経営研究所(International Institute for Management Development)は、スイスのローザンヌを拠点とするビジネススクールで、かつてMBA(経営学修士号)プログラムがフィナンシャルタイムズやフォーブズ、エコノミストなどの評価で1位になったこともある、世界最高峰のMBAプログラムのひとつとされています。 このIMDが毎年、世界64カ国のデジタル競争力ランキングを公表しています。日本のメディアでも、ここ数年「日本の順位がまた下がった」と報道をされています。2023年最新版での日本の順位は第32位と昨年から3つ下がりました。この国際デジタル競争力ランキングは2013年から公表されていて、その時の日本の順位は20位でした。そこから約10年で12位もランキングを下げたことになります。 しかし、「日本の順位がまた下がった」という話をされても、読者のみなさんも面白い話には思えないと思います。「日本は衰退している」という話はそろそろうんざりされているのではないでしょうか。特にこのメルマガをお読みのみなさんは、日本が停滞をしていることはずっと前から感じていて、それをどうにかしたいという思いでさまざまな情報に接し、ヒントをつかもうとされていると思います。 そこで、今回は「ただ順位が下がった」というだけでなく、日本のどこに問題があるのかを探り、どこを補えばいいのかを考えます。 もうひとつ、ご紹介したいのが、アジアの状況です。中国だけでなく、アジア各国のデジタル競争力があがってきています。その中で日本のポジションはどうなっているのかを確認しようと思います。 特に注目をしていただきたいのがマレーシアです。国際デジタル競争力の順位では、日本はマレーシアと抜きつ抜かれつの競争をしています。最新版ではマレーシアは33位で、日本はかろうじて1位上にとどまりました。マレーシアでは、ITを国策による基幹産業と位置付け、1996年にマルチメディア・スーパー・コリドー(MSC)を設置しました。これは首都クアラルンプールの中心地と国際空空港の間の15×50kmの長方形の地域を集中的にインフラ整備を行い、外資のIT企業を積極的に誘致をしてIT産業に力を入れてきました。国内IT産業の規模という点では日本よりもまだ小規模ですが、国際競争力になると日本とほぼ同じレベルになっているのです。 「日本の国際デジタル競争力上でのライバルはマレーシアです」ということを私はずいぶん前から人に会うとお話をしていますが、ほとんどの方が「この人、何言ってんの?」という顔をします。まさか日本がマレーシアと同じレベルだとは誰も思っていないわけです。IMDのレポートだけで「同じレベル」と断言していいかは別として、私たちのアジアに対する見方がそうとうに歪んでいる実例になっていると思います。私の言葉に理解を示してくれたのは、クアラルンプールに駐在している方でした。その方は、ようやく同じ思いの人を見つけたとばかりに、マレーシアのITの先進性をいろいろ教えてくださいました。

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