メルマガ読むならアプリが便利
アプリで開く

第98回 台湾総統選挙が近づいても派手に動きをしない中国の戦略の変化を見落としている日本

富坂聰の「目からうろこの中国解説」
 隔世の感、とは目まぐるしく変化する世の中を表現した言葉だ。暮れ行く2023年、激しく動いた国際情勢の1年を振り返ってもピタリとくる言葉かもしれない。  何より、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領を手放しで歓迎してきたアメリカの変身は象徴的だ。いまやゼレンスキーは、深まる冬のなか前線でロシア軍と向き合う兵士たちよりも厳しい寒風を感じているかもしれない。  この冬、多くのメディアが「冷遇」と報じたアメリカ訪問を終えたゼレンスキーは、ヨーロッパに戻っても頭上の曇天を振り払うことはできなかった。  12月14日から開催された欧州連合(EU)首脳会議では、ウクライナとモルドバの加盟交渉が開始されることが決まったものの、その直後にハンガリーのオルバン・ビクトル首相がEUの大規模なウクライナ支援策に拒否権を行使したからだ。EUの加盟交渉で進展があったものの、支援は暗礁に乗り上げた。英『フィナンシャルタイム』はこれを「(EUが)片手を差し伸べて、もう一つの手を引っ込めた」と表現した。  アメリカのウクライナ「離れ」は、10月にイスラム武装組織「ハマス」による大規模な越境テロが起きて以降、加速度的に進行したように見える。

この続きを見るには

この記事は約 NaN 分で読めます( NaN 文字 / 画像 NaN 枚)
これはバックナンバーです
  • シェアする
まぐまぐリーダーアプリ ダウンロードはこちら
  • 富坂聰の「目からうろこの中国解説」
  • 中国報道で日常的に使われる言葉や表現、これを詳しく分析すると、これまで知っていた事実とは違う世界が見えてくる。ニュースのミスリードから脱する処方箋を書く。
  • 990円 / 月(税込)
  • 毎週 日曜日(年末年始を除く)