第294号(2023年12月22日号)
『最後の調停官 島田久仁彦の無敵の交渉・コミュニケーション術』
はじめに:
いつもメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の無敵の交渉・コミュニケーション術』をお読みいただきありがとうございます。
さて、今週号の内容ですが、まず【1】の
『無敵の交渉・コミュニケーション術』のコーナーでは、
引き続き【待遇や条件を改善するための交渉術】についてお話しします。
【待遇についての交渉】と聞くと、恐らく真っ先に想像されるのが
【給与(salary)についての交渉】かと思います。
先週号では【提示されたオファー・条件に対してYESを急ぐなかれ】とお話ししました。
今週号では【Salaryにばかりフォーカスするなかれ】についてお話しします。
その注目の内容は、本編をお楽しみに♪
次に【2―国際情勢の裏側】ですが、今週も国際情勢は流動的に動いています。
一つ目は【終わりの見えないイスラエル・ハマスの戦争】です。
イスラエル軍による3名のイスラエル人人質の射殺。
エジプトとガザの間に位置し、国際社会からの人道支援の入り口となっていたガザ南部の街で、
検問所が設けられているラファへのイスラエルによる空爆の実施。
まだ生存している市民の3分の2にのぼる市民が飢餓状態にある中、
激しい空爆とイスラエル軍による激しい地上作戦が実施され、絶望が広がるガザ。
当初はイスラエル寄りのコメント・姿勢をとってきた欧米、特に欧州各国が挙ってイスラエル政府に対して
“即時かつ永続的な停戦”(フランスのコロナ外相)を求めだす事態になってもなお、攻撃の手を緩めないイスラエル。
一応、人質解放のための一時戦闘停止措置の用意はあるという発言はするものの、一向に攻撃を止めないイスラエル・・・・。
いろいろ厳しい目が今、イスラエルに向けられています。
高くつき上げてしまった拳を下すきっかけはどこにあるのでしょうか?
2つめは【窮地に立たされたウクライナ】です。
約1週間以上にわたった外遊を終えても、一向に求める支援が来ないことに憂い、
そして『アメリカは決してウクライナを裏切らない』という希望的観測まで述べることになったゼレンスキー大統領。
時折、欧米からこれまでに供与された兵器がロシア軍に対して大打撃を与えたかのようなニュースが流れ、
「もしかしたらウクライナは善戦しており、そのうち、良い条件で停戦協議が行われるのではないか」
というとても楽観的な見解が示されることがありますが、実際には反転攻勢はうまく行っておらず、
時間ばかりが流れ、アメリカも欧州も次第にウクライナへの支援を躊躇する姿勢を示しだしています。
外遊中にブリュッセルに立ち寄り、その際、ウクライナのEU加盟交渉のスタートが合意されましたが、
まだまだウクライナが加盟のために越えなくてはならないハードルは多く、
EUならではの遅々として進まない手続きゆえ、仮にすべての条件がそろったとしても、
ウクライナが加盟に漕ぎつけるまでには短くても10年はかかるという分析も多くあります。
10年・・・果たしてそれまでウクライナは希望をつなぎ、ロシアとの戦争を持ちこたえて、
晴れてEuro Citizenの仲間入りできるのでしょうか?
その道は非常に険しそうです。
3つ目は、日本にも直接的に関係がある【北朝鮮によるICBM級弾道ミサイル発射実験】です。
プーチン大統領と金正恩氏の首脳会談後、格段にミサイル運用技術を高めたと思われる北朝鮮。
先日の“軍事偵察衛星の発射および周回軌道への投入”(まだ成功したかどうかは確定していないとのこと)に続き、
今回は15000キロメートルを十分に射程圏内に収め得る能力を持つものであったことが、複数国の防衛省から発表されました。
アメリカ全土、欧州全域をも射程に含めるため、国際社会を大いに騒がせ、国連安全保障理事会の題材にもなりました。
北朝鮮の後ろ盾である中国は
『今はしばし自省すべき』と北朝鮮に伝えていたにもかかわらず
次々と実験を実施する事態に苛立っていると言われていますが、
ロシアは、新たな脅威となりうる北朝鮮の存在の影に自国が存在することをほくそ笑みながらも、
北朝鮮を自陣に引き留めるための工作を続けつつ、
ウクライナ問題から目をそらす助けをしてくれていることに満足していると言われています。
日本にとってはすぐお隣の危機と言えますが、日本の安全保障上、
ICBMは直接的な脅威が増えたとは言えませんが、自国に核の傘を被せているアメリカがICBMの射程圏内に入ったことで、
有事の際の書道遅れの懸念が出てくるという間接的な懸念に晒される可能性があると分析できます。
中国・台湾有事についてはあまり可能性が高くないと考えているため、
北東アジアにおける喫緊の課題はやはりいかに北朝鮮の暴発を制御するかという点かと思います。
そして4つ目は【私たちが知らされていない深刻な紛争の悲劇の数々】です。
The New York Timesのアフリカ地区のChief CorrespondentであるDeclan Walsh氏の記名記事が伝えた
『コンゴ東部における紛争ですでに600万人超の市民が命を奪われているという告発』が主な内容なのですが、
実はこの戦争はすでに30年以上にわたって継続しており、世界最大の人道的危機と呼ばれていますが、
どれだけの方が知っていたでしょうか?
調査によると現時点でも100万人以上が国内避難民として国中を命からがら逃げまわる状況で、
いつ命を奪われるかわからない状況であるにも関わらず、国際的なattentionの対象にはならないという、
非常に不可解かつ不幸な状況が続いています。
同様のことはシリア、イエメン、アフガニスタン、スーダン、イラクなどでも続いており、
ミャンマー内乱でも多くの犠牲が出ていますが、安全保障コミュニティや人道支援のコミュニティ以外では、
あまり知られていない悲劇でもあります。
【2-国際情勢の裏側】では、
【世界中に散らばる大戦争の種-私たちが知らない重大な悲劇とガザ・ウクライナ対応の失敗がもたらす地獄絵図】
と題してお送りいたします。
今回のメルマガも長くなりましたが、どうぞ最後までお付き合いくださいね。
それでは今週号、スタートします★
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