メルマガ読むならアプリが便利
アプリで開く

ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)2023年12月23日(土)号

ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- はじめに --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------  自民党の政治資金パーティーをめぐる裏金問題が相変わらず、騒がしい。  パーティー券問題については、すでに松野博一官房長官や西村康稔経済産業大臣、鈴木淳司総務大臣、宮下一郎農林水産大臣の4人が閣僚を辞任に追い込まれ、さらに、世耕弘成参議院幹事長も辞任し、自民党内においても、萩生田光一政務調査会長と、高木毅国会対策委員長が辞任することに。  問題は、今後も拡大していく可能性があり、東京地検特捜部は50人体制で捜査を進めている。  背景にあるのは、政治資金パーティーについて、政治資金収支報告書で公表すべきはお金の範囲についてのルールが甘いこと。  政治資金規正法では、寄付の場合、金額が年間5万円超を個人や企業について、名前や住所、金額を収支報告書に定めるよう義務付けているが、パーティー券の場合、パーティー1回につき20万円を超えた場合に記すことになっているため、「名前を知られず、寄付より高額を献金できる」ともいわれる(1)。  企業や団体から政治家個人の政治団体に寄付をすることは、癒着につながる恐れがあるとして禁じられている。しかしパーティー券については、この制限はない。  また寄付の場合、国の補助金を受けた法人や外国人、外国法人はきないルールだが、パーティー券購入についてはこうした制限もない。  会社四季報オンラインは、自民党の政治資金パーティーにおいて、100万円以上支払った団体を公開している(2)。  このうち、上場企業大手は、ニトリHLDの一社のみだ。ニトリは、麻生派(志公会)、岸田派(宏池政策研究会)、茂木派(平成研究会)のパーティー権をそれぞれ購入していた。  一方で、検察のリークをそのまま垂れ流すことしかできない、記者クラブメディアの言説にも注意が必要だ。 (1) 谷瞳児・東郷隆「【そもそも解説】政治資金パーティー、寄付より甘い公表のルール」朝日新聞デジタル、2023年11月24日、https://digital.asahi.com/articles/ASRCS6H2BRCSUTIL01R.html?_requesturl=articles%2FASRCS6H2BRCSUTIL01R.html&pn=5 (2) 会社四季報オンライン「自民党・派閥パーティー」へ100万円以上支払った団体一覧」2023年12月20日、https://shikiho.toyokeizai.net/news/0/722165 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 「ジェンダード・イノベーション」、注目 ジェンダード・イノベーションの例 性差、フェムテック -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------  「ジェンダー・イノベーション」という言葉が最近注目を集めている。  この概念は、「ジェンダード」という「性差に基づく」という言葉と、「イノベーション」、つまり知的な創造や技術の進歩を意味する言葉が組み合わさったもの。米国のスタンフォード大学のロンダ・シービンガー教授が2005年に提唱した。  これまでの科学や技術の研究は、ほとんどが男性を中心に行われてきた。その結果、女性にとって不利な影響が多く生じてきた。  たとえば、車の衝突試験で使用されるダミー人形は、男性の体型をモデルにしいた一方、女性の人形は平均的な女性の体よりも小さい。さらに、ドライバー席のダミー人形が男性のみであったため、実際の事故では女性ドライバーの方が重傷を負う確率が47%も高いと報告されている(1)。  また3点式シートベルトは妊婦の流産リスクを高める可能性も指摘されていた(2)。そのため、多様なダミー人形を開発し、衝突実験に活用することで、自動車の安全性向上が期待されている。  ジェンダー・イノベーションは、性差の問題を否定するのではなく、積極的に解決しようとする考え方。つまり、性差を考慮した研究や技術開発を行うことで、新たなイノベーションや発見が可能になるという考え方だ(3)。  この概念は、従来のジェンダー研究が社会全体の問題をジェンダーの観点から探求するのに対し、科学や技術の研究や開発など、意識されてこなかった分野に焦点を当てている。  また、科学や技術の分野では、ジェンダーを考慮することが慣れていないため、ジェンダー研究の専門家との協力が重要視されている(4)。 目次 ・ジェンダード・イノベーションの例 ・性差 ・フェムテック

この続きを見るには

この記事は約 NaN 分で読めます( NaN 文字 / 画像 NaN 枚)
これはバックナンバーです
  • シェアする
まぐまぐリーダーアプリ ダウンロードはこちら
  • ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)
  • 日々流れるニュースを、様々な視点から分かりやすく解説するニュースサイト「ジャーナリスト 伊東 森の新しい社会をデザインする The Middle News Journal」のニュースレター有料版です。 いまだ私たちに伝えられてこないマスコミの情報は、残念ながら存在します。 「そもそも?」「Why?」を大事に、マスコミの情報を再編集し、様々な視点や確度から執筆していきます。 その「水先案内人」として、私の仕事が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
  • 660円 / 月(税込)
  • 毎週 日・土曜日