2023年 年末号 【長尾和宏の痛くない死に方】
今年最後のメルマガとなりました。この一年、まぐまぐ!を購読してくださった皆さん
にまずは感謝を申し上げます。言論規制が厳しくなり、僕が本当に言いたいことを言える
場所がどんどん狭くなってきています。このメルマガとにニコニコ動画、そして紙の書籍。
この3つが、僕の「居場所」となりつつあります。
支えてくださっている皆さんおひとりおひとりに、会って御礼を言いたいくらい、
ほんとうに感謝しています。
さて、今年も残すところあと1週間。早いね。フーテンになったはずなのに、
日々のあわただしさは変わらぬまま、今年こそ大掃除、と思いながらなかなか手がつけ
られません。大量の本、会議や学会で頂いた資料、誇りを被ったCDやDVD、旅行で
買ってきたあれやこれや…。皆さんは、捨てる/捨てないをどうやって決めていますか。
断捨離のプロに言わせれば、「あなたが一年触らなかったモノは、一生触らないモノなので
捨てなさい」となるのでしょう。
でもこれが、なかなか難しい。本だってCDだって、ある日突然、読みたくなったり、
聴きたくなったりするんじゃないのかな。捨てようと思って手にしたものを、ついつい、
元の棚に戻してしまったり。
歳をとると、手に入れることよりも、手放すことのほうが難しい。
手放すといえば、昨日は、僕の朋友「つどい場さくらちゃん」の丸尾多重子さんとともに
西宮で最後の「か・い・ご学会」に参加した。
丸尾さんは、今年でこの「か・い・ご学会」を手放す覚悟をしたのだ。
ゲストは介護のカリスマ、三好春樹先生と、僕。そしてまるちゃん軍団。
最後の「か・い・ご学会」とあって、北海道から九州、いや、遠くドイツからも、丸尾さんと
御縁のある人が、大勢集まって満員御礼。まるで、まるちゃんの生前葬!?
先日、松山のライブでお世話になった、中矢暁美さんも来られていた。
コロナを乗り越えて、全国で本物の介護をやっている人が大集結。錚々たる顔ぶれ。
丸尾さんと僕の出会いは、2014年に出版した『ばあちゃん、介護施設を間違えたら
もっとボケるで!』という対談本に詳しく書いている。僕に、認知症とは何か? 介護の
本質とは何か? をリアルな言葉と風景で教えてくれた先生、それが丸尾さんだ。
この本は過激すぎると、各方面からお叱りを受けもしたが・・・。
先の本を筆頭に、3~4冊を共著で出した。
僕がときどき講演会で紹介する詩「親の老いを受け入れる」も、丸尾さんと出会っていな
ければ、絶対に書けなかった詩である。
「か(介護)い(医療)ご(ご近所)学会」に僕が初めて参加したのは、丸尾さんと出会
ってすぐのこと、確か2008年だったかな。けったいな名前だな、と思った。
そしてあのときもゲストは確か、三好春樹さんと僕、だった。
15年の時を越えて、同じ仲間達で、あれこれ言っている。お互い、年をとった。
僕は、ここにいるみんなのおかげで、認知症のことを診れるようになった。
それくらい当時は、介護と医療とご近所がまじくる、という意味が僕にはわからなかった。
でもこれこそが、「地域包括ケア」なんだけどね。
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)