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それゆえにこそ、原材料価格は、化粧水が1〜2円、乳液が2〜3円、クリームが10〜30円程度なのです。 またメイクアップ化粧品でも、口紅が5〜10円、ファンデーションが15〜20円程度です。 特殊成分のヒアルロン酸を加えたとしても、1cc50円程度で6リットルもの保水効果があり、0・1ccを加えてもたったの5円です。(悪徳美容外科では1cc5万円と称して肌に注射する)。 実は、化粧品は原材料よりも、容器代や外装パッケージ代のほうが高いのです。 +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+ 神樹兵輔の衰退ニッポンの暗黒地図――政治・経済・社会・マネー・投資の闇をえぐる 第78回(2023年12月25日号) +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+ みなさま、こんにちは! 「衰退ニッポンの暗黒地図」をお届けするマネーアナリストの神樹兵輔(かみき・へいすけ)です。 さて今回は、街が賑わうクリスマスということもあるので、浮かれ気分に乗り過ぎないように――という自戒の意味も込めて、いつもと少し趣向を変え、「商品価格のカラクリ」といったテーマでお届けしたいと思います。 私たちは「脳のくせ」や「先入観」といったヒューリスティックや、それに依存した「認知バイアス」にさまざまな影響を受けてしまいます――今回はそれに関わる「商品価格」について触れておきたいと思うのです。 たとえば、皆様は、「無駄遣いはしたくない」とか、「つねに節約しなくちゃ」という意識は、誰でも持っていることかと思います。 とりわけ、2019年に騒がれた「老後2000万円問題」以降は、老後のために「資産形成もがんばらなくちゃ!」という機運も盛り上がってきています。 折しも、早や来年2024年からは「新NISA」も始まります。 「いろいろ金融商品についても学ばなければならない」といった決意を新たにする人もいるでしょう。 そんな人に、まず考えていただきたいのが、私たちの周囲を取り巻く、商品市場、商品経済のメカニズムやカラクリ、そしてそれらに惑わされる私たちの人間心理について、改めて知っておくことが重要と思えるのです。 安い代替品があるのに、わざわざ高額品を購入してしまうのは、私たちの脳が騙されているからに他なりません。 -------------------------------------------- 認知バイアスの「脳のクセ」「偏見や先入観」に騙されるな! 商品価格に仕組まれたカラクリを見極めよう! -------------------------------------------- さて、近年「行動経済学」という分野への注目の高まりから、「ヒューリスティック」や「認知バイアス」といった言葉をよく聞くようになったのではないでしょうか。 まずは、ざっとおさらいですが、これらについて簡単に解説しておきます。 経済学に認知科学を融合させた「行動経済学」という分野で、2002年にノーベル経済学賞を受賞したのが、イスラエル出身の米国の心理学者ダニエル・カーネマン博士でした。 カーネマン博士は、エルサレム・ヘブライ大学心理学部にいた当時の同僚エイモス・トヴェルスキー教授とともに、私たちの脳がどのような思考経過をたどって「判断ミス」や「過ち」に導かれるかを研究してきたのでした。 その研究成果がノーベル賞受賞につながったのです(その当時、共同研究者のエイモス・トヴェルスキー教授は早逝していた)。 そしてそれが今日、「ヒューリスティック」や「認知バイアス」といった言葉の広がりとともに、人間の行動理解に大きく貢献してくれるようになったのです。 人は、物事をとらえる際、その多くを直感で判断しています。 瞬間的、無意識に考える脳の「システム1」を機能させ、「これはオトクだから買おう」とか、「危険だから近づくのをやめよう」などと判断し、行動に移しているのです。 これは、私たち人類の生存戦略に直結する、極めて重要な脳のはたらきです。 しかし、簡単に「直感」で判断できず、「熟考」を要する事柄の場合もあります。 「どうやってこの商品の売上を伸ばすか」とか、「この人と結婚すべきかどうか」といった問題に直面した時です。 こうした場面で人は「システム1」の直感に導かれつつ、論理的かつ理性的思考を行う脳の「システム2」を起動させて考えます。 こちらは脳に多大な負荷がかかり、「システム1」が「速い思考」、「システム2」が「遅い思考」と呼ばれるゆえんです。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 次回は 「どうして日本は格差社会になってしまったのか? 格差社会拡大の最大の元凶は日本人による自業自得の構図!」 というテーマでお届けいたします。 「親ガチャ」という言葉が流行するほど、親から子へと「貧困の連鎖」が当たり前のようになってしまっています。 なぜそうなったのか、フランスの気鋭の経済学者トマ・ピケティの 「 r > g 」 という有名な不等式の紹介と併せて、じっくりとこの問題をえぐっていきたいと思います。 それでは、次回をどうぞご期待くださいませ。

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  • 神樹兵輔の衰退ニッポンの暗黒地図――政治・経済・社会・マネー・投資の闇をえぐる!
  • 1990年のバブル崩壊から続く「失われた30年」を経て、ニッポン国の衰退ぶりは鮮明です。デフレ下でGDPは伸びず、賃金は上がらず、少子高齢化で人口は減り、貧富の格差も広がりました。 いったいどうしてこんなことになったのでしょう。政治、経済、社会、マネーや投資に瑕疵があったのは否めません。本メルマガは、そうした諸分野に潜む「闇」を炙り出しグイグイえぐっていこうとするものです。
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