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【Vol.514】冷泉彰彦のプリンストン通信『地を這う日本の生産性』(改行なし)

冷泉彰彦のプリンストン通信
「就活ESで入試タイプを聞く企業は危険」  最近の就活では、ES(エントリー・シート)に「入試形態」を書かせる企業が増えているそうです。つまり、一般入試、内部進学、AO入試、指定校推薦など、エントリーシートの欄にチェックを入れる項目があり、大学に「どうやって入ったのか?」を調べるのです。  いかにも「やりそうなこと」であり、面接の話題にしようという魂胆はミエミエです。ですから、就活生は面接の際に対応していけば良いわけです。 「一般入試は、地頭(じあたま)の良さの証明と思われている。だが、答えのある質問、期限のあるタスクには対応できていても、問題発見力、問題提起の能力は未知数と見てくる」 「内部進学は、高校の成績と学部との相関を見た上で、進学した学部へのその時点での志望動機などを聞いてくる」 「AOは、基礎学力の証明を欲しがってくる。また入試の具体的内容を聞いてくる」 「指定校推薦は、高校のレベル、成績などを確認に来る」  というようなことは十分に想定できるのですから、ゲームのルールを頭に入れた上で対抗していけばいいと思います。  では、この種の「入試形態」をしつこく聞いてくる企業というのは、別に当然の行動をしているだけで、問題はないのかというと、冗談ではありません。問題は大アリだと思います。  それは大学教育を軽視しているということです。大学とは、入試という「実力判定の資格試験」、つまり「その大学に入ったこと」がいちばん大事であって、大学の4年間に学んだことは、企業としては評価していないという、昔ながらの姿勢を今でも守っている、そんな会社だというのは明らかです。  日本の企業の多くは、何でも「自己流」で進めがちです。自己流には2種類あって、1つは過去の成功体験が様式化されたもの、もう1つは、業界ぐるみの「バレなければコストカット」というコンプラ上の「限りなく黒に近いグレーな対応」です。(続く)

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  • アメリカ北東部のプリンストンからの「定点観測」です。テーマは2つ、 「アメリカでの文脈」をお伝えする。 「日本を少し離れて」見つめる。 この2つを内に秘めながら、政治経済からエンタメ、スポーツ、コミュニケーション論まで多角的な情報をお届けします。 定点観測を名乗る以上、できるだけブレのないディスカッションを続けていきたいと考えます。そのためにも、私に質問のある方はメルマガに記載のアドレスにご返信ください。メルマガ内公開でお答えしてゆきます。但し、必ずしも全ての質問に答えられるわけではありませんのでご了承ください。
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