「小松成美の伝え方の教科書 ノンフィクション作家に学ぶコミュニケーション術」
vol.64「人生の可能性は無限大!100歳を超えて第一線で活躍する佐藤愛子さん」
【今週の目次】
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1. 成美のつぶやき
└ 2023年最後のメルマガ
2. 人生の可能性は無限大!100歳を超えて第一線で活躍する佐藤愛子さん
└100歳の現役作家として初の新刊を発行した佐藤愛子さん
└創作の原動力になったのは「自身の血」への憎悪
└壮絶!?偽装離婚までして夫の借金返済を肩代わりするも…?
└葬式で泣けるのは幸せ・・・
└にわかに信じがたい心霊体験を通して、人生観の境地を見る。
3. 小松成美の心に残る、あのフレーズ
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1. 成美のつぶやき
2023年最後のメルマガ
今年最後のメルマガとなりました。
私の出会いとそこにあるストーリー、「聞くこと、伝えることの喜び」に寄り添ってくださる皆様、1年間本当にありがとうございました。
来年も変わらず宜しくお願い申し上げます。
1年の最後に大好きな俳優さんの演技に触れ、その作品に心動かされました。
その作品とはNHKで放映された、『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士(前編・後編)』です。ご覧になった方も多いのではないでしょうか。
そして大好きな俳優さんとは、このドラマで主演を演じている草なぎ剛さんです。
草なぎさんは2023年9月からオンエアされているNHK連続テレビ小説『ブギウギ』では、作曲家・羽鳥善一も演じていますね。
1974年生まれ、埼玉県出身の草なぎさんは、1988年、アイドルグループSMAP(スマップ)を結成し1991年にCDデビューします。その後の国民的アイドルとしての日々を知らない方はいないでしょう。2016年7月26日に、ジャニーズ事務所を退社し、フリーになっていたSMAPの元チーフ・マネージャーだった飯島三智によって設立された「新しい地図」へ、2017年9月22日に元SMAPの稲垣吾郎さん、香取慎吾さんと共に、3人の所属が発表されました。
以後、草なぎさんは、テレビ、映画、舞台の演技に邁進していきます。(「ブラタモリ」のナレーションも素晴らしいですね。)
私は草なぎさんの20代の頃からの作品を見ていましたが、歳を重ねるごとにその演技も役柄も深遠になっていきました。
最近では、2020年の『ミッドナイトスワン』が衝撃でした。草なぎさん演じるトランスジェンダーの主人公と親の愛情を知らない少女の擬似親子的な愛の姿を描いた作品です。草なぎさんはこの作品で、第44回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞しました。
まだの方はぜひ配信サービスでチェックしてみてください。
話を『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』に戻しましょう。
草なぎさんが演じる荒井尚人は、家族や恋人にも心を閉ざす影のある人です。その一つの理由が、耳が聞こえない両親をもつコーダ※(Children of Deaf Adults)であることでした。
生活の糧を得るために唯一身についている手話を活かすことになった彼は、資格をとり手話通訳士として働くことになるのです。
取り調べや法廷での手話通訳を務めることで、過去と現在の二つの事件に深く関わっていくのですが…
※コーダとは、1980年代にアメリカで生まれた言葉で、“きこえない・きこえにくい親をもつ聞こえる子ども”のことを指します。 両親ともに、もしくはどちらか一方の親だけがろう者・難聴者でも、聞こえる子どもはコーダとされます。
このドラマは、丸山正樹さんの原作小説『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』のドラマ化で、手話通訳士を演じた草なぎさんは、当然、ドラマ全編で手話を使います。子供の頃から家族の手話通訳をしていた人として、完璧で流暢な手話を駆使しなければなりません。そこに重なる家族や仕事の過去の出来事。聴覚障害者の家族の中でただ一人、聴者であったことの苦悩を、草なぎさんは静かな演技で表現していきます。
天才と言って仕舞えばそれまでですが、草なぎさんの役を受け入れる心の容積は、ロバート・デニーロやメリル・ストリープを凌駕するのではないかと、私は思っています。
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