現在、2022年度で生保受給者は202万人(半数が高齢者で外国人は5万人)ですが、すでにこの人数は、1940年代後半の敗戦直後に混乱していた世情の困窮時と同レベルです。
総支給額は約4兆円ですが、高齢者医療扶助の爆上がりで先行きの見通しは、まったく不透明になっています。
2050年には、100歳を超える高齢者の数が50万人を突破するといわれています(2023年時点では約9万2千人)。
生活保護の総支給額が、現在の3倍〜4倍に膨らむことも試算されています。
もはや国家財政はもたないでしょう。いったいどうなるのでしょうか。
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神樹兵輔の衰退ニッポンの暗黒地図――政治・経済・社会・マネー・投資の闇をえぐる
第79回(2024年1月1日号)
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みなさま、こんにちは!
そして、新年あけましておめでとうございます。
「衰退ニッポンの暗黒地図」をお届けするマネーアナリストの神樹兵輔(かみき・へいすけ)です。
さて今回は、「どうして日本は格差社会になってしまったのか? 格差社会拡大の最大の元凶は日本人による自業自得の構図!」というテーマでお届けいたします。
昨今では、「親ガチャ」という言葉が象徴するように、親から子へと「貧困の連鎖」が当たり前のようになってしまいました。
貧困家庭に生まれたら、満足のいく教育機会にも恵まれず、低賃金の仕事に就かざるをえず、貧困が続くという状況――これが、これからの日本社会ではどんどん拡がることが危惧されているのです。
なぜそうなってしまったのか――ということを含めて、フランスの気鋭の経済学者トマ・ピケティの「 r > g 」 という有名な不等式の説明も交えて、じっくりとこの問題をえぐっていきたいと思います。
もうすぐ、とんでもない地獄の近未来が確実に訪れます。
これに備える「自助努力」が、旧世代以上に今の現役世代には求められるのです。
さあ、地獄の未来図について考察していきましょう。
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どうして日本は格差社会になってしまったのか? 格差社会拡大の最大の元凶は「日本人による自業自得」の構図!
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さて、あと数年から10年ちょっとで定年を迎える「ロストジェネレーション」といわれる人々は、この「貧困の連鎖」に大きく関係している世代といわれています。
略して「ロスジェネ世代(失われた世代)」は、1970年から84年にかけて生まれた世代を指します(2024年時点で40歳から54歳になる世代)。
ちょうどバブル経済が崩壊した1990年以降のデフレ不況が深まっていく10数年間に、学校卒業を目前に就職活動を行った人たちを指しています。
求人倍率が著しく低下した時代だったゆえに、正社員になれず、非正規雇用社員にならざるを得なかった気の毒な世代に該当します。
2008年のリーマン・ショックの時には、すでに24歳から38歳になっていた世代なのです。
これはもう、20代から30代にかけて「踏んだり蹴ったり」の人生前半を余儀なくされた世代といわざるをえないのです。
ちなみに、「ロスジェネ世代」に相当する前半当初の4年間に生まれた一群の世代は「団塊ジュニア世代」とも呼ばれます。
この「団塊ジュニア世代」は、ものすごく人口が多いことが他の世代と大きく違う特徴点です。
それは、「2040年問題」という大きなテーマとも、直接かかわる世代でもあります。
2040年は、現役世代が数多く引退し、そのぶん引退世代がどっと増える「社会保障制度」が危機を迎える分岐点なのです。
これに大きく関わってくる世代が、人口の多い「団塊ジュニア世代」であり、それに引きずられる形になる「ロスジェネ世代」でもあるわけです。
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「ロスジェネ世代」は先頭集団の「団塊ジュニア世代」を筆頭にズブズブと「貧困老後地獄」に落ちていくのが確実!
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次回は、 「日銀の超低金利政策で儲かったのは誰だ?──貧乏から金持ちになった者たちは、はたしてこのまま逃げ切れるのか?」 というテーマでお届けしたいと思います。
日本では史上かつてない、低金利政策が続いてきました。
そして、いまだに日銀は出口が見通せず、喘ぎ苦しんでいますが、この低金利時代を生き抜いてきた投資家たちの軌跡をたどり、過去・現在・未来を展望していきたいと思っています。
それでは、次回をどうぞご期待くださいませ。
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