戦後のアメリカの経済金融史の中では、「5%以上のインフレを
FRBの引き締めで3%未満の引き下げたケース」で、その後の
18か月間に景気後退に陥らなかったケースはありません。
2022年から2023年にかけて、FRBは9%もの高インフレ
と闘いました。
「1990年代半ばのように、FRBの利上げが景気後退につながら
ず、FRBがソフトランディングに成功した」例もありますが、こ
のケースでは、FRBは景気の過熱と戦っていただけで、5%以上
の高インフレとは闘っていませんでした。1990年代半ば当時
のインフレは3%弱と安定していたのです。
そもそも論として、過去を振り返ると、ITバブル時でも、サブプ
ライムバブル時でも、アメリカ経済が景気後退入りする直前は株
式バブルがほぼ頂点に達しています。
バブルの頂点でバブルがはじける直前は、エコノミストや経済誌
の間では、必ずと言って良いほど
「今度こそは違う!!!今回ばっかりは、アメリカ経済のソフト
ランディングは可能だ!!!(This Time Is Different!)」と
の大合唱が噴水のように吹き出して大変強くなります。
今のアメリカでも「This Time Is Different!」の大合唱が続
いています。
2023年末のアメリカ株式市場はイケイケの熱気の中で溶け上
がりました。けれども、あの熱気の中でさえも、2022年1月に
付けた「史上最高値:4796.56ポイント」にわずか0.3%
以内に迫りながら及ばず、市場最高値を更新できませんでした。
もし今後アメリカ株式市場が弱気相場に転じるとすると、テクニ
カル的にも、
2022年1月につけた史上最高値;4796.56ポイントと、
その史上最高値まで0.3%以内に迫った2023年12月27
日の終値:4783.37ポイントを結ぶと、
結果として、「ダブルトップ」を付けてしまうことになります。
2024年のアメリカ株式市場はぐずぐずした展開になる可能性
もあるのです。
2024年のアメリカ株式市場は「波乱の幕開け」となっていま
す。S&P500もナスダックも「年始め3営業日」連続で下落し
ています。
1月8日までの「年始め5営業日」のアメリカ株式市場にはとて
もとても要注意です。
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