メルマガ読むならアプリが便利
アプリで開く

vol.210:Z世代の新たな10の消費傾向。内向き、節約、伝統文化。小紅書の調査から

知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
  • 2024/01/08
    • シェアする
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 210 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。 今回は、Z世代の10の消費傾向についてご紹介します。 日本は、新年が明けてからさまざまな災害、事故が起こり、とても新年を祝う空気ではなくなってしまいました。近年、よく言われるリスク社会を現実に見せられることになりました。 経済などのグローバル化が進んだため、リスクも世界で共有されるようになりました。遠い国で起きている紛争は、以前はテレビの中のできごとにすぎませんでしたが、今では、直接、原材料不足やエネルギー価格高騰という形で直接的に影響をしてきます。グローバル化により、一人一人が受けるリスクは大きくなっています。 中国では、高度成長から安定成長への組み換えが始まっています。あの高度成長がいつまでも続くわけはなく、どこかで安定成長社会へと社会体制を組み替えていく必要がありましたが、中央政府はコロナ禍明けの今がベストタイミングだと判断をしたようです。 このため、中国のメディアでは「今後の動向を読む」といったテイストの記事が如実に増えています。新年から春節(旧正月)までの間は、中国では次の年への切り替えの時間にあたることもあって、さまざまな予測レポートが公開され、無数の講演会が開かれています。 読者のみなさんも、今後、中国の経済や社会がどう変わっていくのかについてはご関心があるかと思います。今後、このようなレポートや講演を積極的にご紹介していこうと考えております。 その第1弾として、まずはZ世代の消費動向に関するレポートをご紹介します。Z世代の利用率が高いSNS「小紅書」の投稿データに基づいた内容になっています。小紅書は日本でもダウンロードすることができます。言語は中国語になりますが、私たちにとっては中国の若者の今を知ることができる貴重なSNSになっています。中国Z世代の動向にご関心がある方はぜひインストールして、時々開いてみてください。多くの気づきを得ることができると思います。 今回は、Z世代の新たな消費傾向ついてご紹介します。 知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 210 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼目次▼ Z世代の新たな10の消費傾向。内向き、節約、伝統文化。小紅書の調査から 小米物語その129 今週の「中華IT最新事情」 次号以降の予定 Q&Aコーナー ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Z世代の新たな10の消費傾向。 内向き、節約、伝統文化。小紅書の調査から ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今回は、Z世代の新たな消費動向についてご紹介します。 日本でも中国でも多くのtoC企業がZ世代の動向に注目をしています。その理由は3つあります。 ひとつは、Z世代とは、定義によって異なりますが、1995年から2010年ぐらいまでに生まれた世代を指します。つまり、わかりやすく言えば10代と20代前半です。この世代は若いためにまだまだ経済力がなく、消費力は大きくありませんが、今後、消費者の中心世代になっていきます。どの世代でも、10代、20代の時に消費傾向が決まりますから、Z世代の大量消費が始まる前に傾向を捉えて準備をしておきたいと考えるのは当然のことです。 2つ目は、スマートフォンネイティブ世代であるということです。物心ついた時にはスマホがあり、パソコンでインターネットにアクセスするという感覚がありません。新入社員が、フルキーボードが使えない、Excelが使えないという話もよく聞きます。デバイスはスマホが基本であり、当然ながらウェブよりもSNSから情報を得ることが普通になっています。 これは現役世代(パソコン世代)から見ると大きな断絶があり、彼ら/彼女らが何を考え、どのように行動するのかがわからず不安になります。ですので、Z世代の消費者のことを少しでも理解しておきたいという自然な気持ちもあるかと思います。 3つ目は、Z世代の最大の特徴ではないかと思いますが、海外のZ世代と似た傾向を持つということです。日本のZ世代は、海外のSNSを見たりはしていないとは思いますが、それでも自然な形で海外情報や海外の感覚が入ってきて影響を受けています。例えば、Xでは、日本と米国の区別はなく、検索をすれば米国のツイートが読めます。積極的に読まなくても、それを翻訳したり、関連ツイートを日本語でする人がいるため、自然に海外の感覚に触れることになります。例えば、イーロン・マスク氏がツイッターを買収して、さまざまな改革を行なっていることを、日本人の多くの人が細部にわたるまでよく知っています。 また、TikTokには海外のショートムービーもリコメンドをされるため、知らず知らずのうちに海外文化に触れることになっています。例えば、中国の抖音(ドウイン、中国版TikTok)は、ダンス映像の発信地になっていますが、中国で流行したダンスはほぼリアルタイムで韓国や日本でも流行り始めます。踊っている韓国人や日本人は、それが中国発などということは知らないでしょうし、気にもしていないと思います。楽しいから自分もやってみたという感覚だと思います。

この続きを見るには

この記事は約 NaN 分で読めます( NaN 文字 / 画像 NaN 枚)
これはバックナンバーです
  • シェアする
まぐまぐリーダーアプリ ダウンロードはこちら
  • 550円 / 月(税込)
  • 毎週 月曜日