メルマガ読むならアプリが便利
アプリで開く

韓国、「経済・政治」で大転換期 輸出の対中依存度低下が「86世代」終焉もたらす

勝又壽良の経済時評
  • 2024/01/08
    • シェアする
窮地に立った韓国左派 世論が86世代を忌避 高賃金で企業ゾンビ化 朝鮮は李朝時代に、約500年間も政治・経済面で中国の本格的な支配下にあった。韓国は、これによって思想面でも中国の強い影響を受けてきた。その残滓は今なお、韓国左派に多く受け継がれている。左派といえば、一般的にリベラリズムを想定するが、韓国左派は中国への回帰を願望とする民族主義の立場だ。これは、「中国が世界の中心」という中華思想に深く染まった結果である。 韓国では、朝鮮戦争の影響もあって共産主義を禁じている。こうして、共産主義政党が存立できないことから、左派の政治信条には共産主義への共鳴が隠されている。文在寅政権が、南北融和を強く打ち出した背景には、「隠れ共産主義」という左派の特色が全面的に現れたとみるべきだ。文在寅氏の両親は、北朝鮮出身であった。望郷の念が強かったことは当然で、それが文氏の政治行動へ強く影響したと思われる。 韓国左派は、中国や北朝鮮へ一体感を持つ一方で、日本や米国へは厳しい目を向けてきた。とりわけ日本への敵視政策は度を超えていた。韓国は、日本の朝鮮植民地になった約35年間の統治を、中国による500年の支配よりも恨む逆立ちの論理を展開している。中国との間には、儒教という精神的紐帯が存在した。中国による「支配=同化」が、麻薬になって美化するのであろう。日本との間には、近代化=合理性の規則が立ちはだかる。朝鮮は、日本を「夷狄=異敵」という認識を強めて対抗した。この関係が、韓国独立後も続いてきたのである。 窮地に立った韓国左派 韓国左派は、こうした歴史的な因縁がからんで中国と日本へ全く異なる対応をしてきたが、今やそれが「精算」されざるを得ない羽目になっている。中韓貿易の流れに、激変が起こっているからだ。23年の貿易状況によれば、韓国の対中貿易が31年ぶりに赤字へ転落した。一方、米国は21年ぶりで最大貿易黒字国へ浮上したのである。いわば、「中国が沈み、米国が浮上」という典型的な変化が起こっている。その詳細を次にみておきたい。

この続きを見るには

この記事は約 NaN 分で読めます( NaN 文字 / 画像 NaN 枚)
これはバックナンバーです
  • シェアする
まぐまぐリーダーアプリ ダウンロードはこちら
  • 勝又壽良の経済時評
  • 経済記者30年と大学教授17年の経験を生かして、内外の経済問題について取り上げる。2010年からブログを毎日、書き続けてきた。この間、著書も数冊出版している。今後も、この姿勢を続ける。
  • 880円 / 月(税込)
  • 毎週 木曜日(年末年始を除く)