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知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
vol. 211
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みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。
今回は、 拼多多の越境EC「Temu」についてご紹介します。
現在、Temu(ティームー)は47カ国でサービスを展開していて、一定規模の市場を獲得しているようです。Temuは流通総額などのデータを公開していませんが、調査会社などによると、2023年の米国市場での流通総額は、目標である150億ドル(約2.2兆円)を達成できているようです。これは世界のオンラインリテールの流通総額ランキンの10位以内に入れることが臨めるほどの規模です。わずか1年でここまで成長するのは驚異的なことです。
読者のみなさんは、拼多多と言えば「激安だけど、劣悪品も多い」というイメージがあるのではないでしょうか。その越境ECということから、日本でもサービスは始まっていますが、購入してみるのを躊躇される方もいると思います。また、Temuは、米国に進出をした時、いきなり米国のテレビ広告の最高峰であるスーパーボウルに広告を出したところから、「最初に大金を投入して市場を確保しただけ」と言われることもあります。
しかし、中国人もバカではないので、利益が望めないものに大金を投じたりはしません。Temuには勝算があるから大金を投じているのです。
Temuで見るべきはそのビジネスモデルです。今までになかったECのモデルを構築しました。そのモデルは、仕組みとして、劣悪品を排除し、価格を下げられるという賢いものになっています。ですので、小売業の方が「最初に大金をばら撒いただけ」と見ていると、後で手痛い目に会い、気がついたときにはどうにもならないという最悪の事態になることもあり得ます。
では、その今までになかったECのビジネスモデルとはどのようなものでしょうか。それが今回、みなさんにお伝えしたいことになります。
今回は、Temuのビジネスモデルについてご紹介します。
知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 211
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▼目次▼
劣悪品を排除し、低価格を実現する仕組み。Temuの革新的なビジネスモデルとは
小米物語その130
今週の「中華IT最新事情」
次号以降の予定
Q&Aコーナー
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劣悪品を排除し、低価格を実現する仕組み。
Temuの革新的なビジネスモデルとは
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今回は、越境EC「Temu」についてご紹介します。
日本でもサービスが開始されているTemu(ティームー)。ご存知のようにソーシャルEC「拼多多」(ピンドードー)の越境ECです。2022年9月に米国でサービスが提供されて以来、47カ国でサービスが開始され、2023年5月にはわずか10ヶ月で1億人のユーザーを獲得しました。これに刺激されてアリババのAliExpressも米国でのサービスに正式に対応をし、TikTokもショッピング機能を米国でスタートさせました。以前から格安アパレルで人気となっていたSHEIN(シーイン)と合わせて、米国では4つもの中国系越境ECが利用できる状況となりました。
どのくらいの流通総額(GMV)があるのか、拼多多は公表していませんが、報道によると、2023年の目標である150億ドル(約2.2兆円)はじゅうぶんに達成の見込みがあるようです。
▲eMarketerによる2021年のECのGMV世界ランキング(
https://www.insiderintelligence.com/content/top-10-digital-retailers-worldwide)。Temuはわずか1年で上位10位にランクインが臨めるほどのGMVに達している。
2023年7月には日本と韓国でのサービスもスタートし、日本では121日で400万ダウンロードを達成し、400万ダウンロードを最も早く達成したアプリになりました。過去の記録では、アマゾンでも660日、メルカリでも427日、SHEINでも151日だったものを大きく塗り替えました。韓国でも88日で200万ダウンロードを達成、SHEINは382日、AliExpressでも366日かかっています。
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