今週のざっくばらん
地震の震度について
先週、地震の三つの尺度(マグニチュード、震度、最大加速度)について書きましたが、震度について、深掘りをして勉強したので、ここで解説します。
震度は、正式名は気象庁震度階級で、日本だけで使用されている、独自の「地震の激しさ」を表す階級です。マグニチュードが地震の総エネルギー、最大加速度が地震計で測定される加速度を表すのに対して、震度は人や建物への影響を考慮した数字になっている点が特徴です。
以前は、人の体験や被害状況による判定を(人が)行っていましたが、それだと主観が入ってしまうし、迅速な救助活動の必要性の判断が出来ないため、1996年4月からは、計測震度計という自動計測器により自動測定されています。
計測震度は、資料1に詳しく書いてありますが、基本的には加速度計に記録された波に地震波の周期による補正を加えた上で、(東西、南北・上下の)3成分の波形をベクトル的に合成した上で、ベクトル波形の絶対値がある値 a 以上となる時間の合計を計算した時、これがちょうど0.3秒となるような a を求めた上で、
I = 2 log a + 0.94
の計算で求めます。
建物などにかかる力は、加速度と時間の積で決まるため、0.3秒という時間の要素を加えているのです。
そして、気象庁が発表する際には、この計測震度を以下のように震度階級として発表することになっています。震度5弱: 4.5 <= I < 5.0震度5強: 5.0 <= I < 5.5震度6弱: 5.5 <= I < 6.0震度6強: 6.0 <= I < 6.5震度7: 6.5 <= I
例えば、a が 125ガル(ガルは加速度の単位)だった場合、Iは 5.13になり、震度は5強として発表されます。
計算式に log が出てくる点がとても重要で、これは震度が対数表示であり、震度が1上がるたびに、加速度は10の2分の1乗、約3.16倍になります。
つまり、震度6弱と震度7の間には、建物などにかかる力で三倍以上の差があることになります。
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