震災に思う

ドクター畑地の診察室225.2024.1.14. 現役呼吸器内科、総合内科専門医 畑地治です 。 世の中に「○○飲んだらすべての病気が治った」「○○制限食をとったらすべての人が健康になる」等、出鱈目情報が溢れています。現代医療の特徴は精密医療で万人に効くような治療はありません。治療方法は個人によって全く違います！おそらく日本で一番多くの呼吸器疾患患者（肺癌、喘息、COPD、肺炎など）を診療する専門医が、最先端の精密医療を解説＆ネットでは出し辛い医療や治療の裏側も配信！ https://zipangu-management.co.jp/culture_000/hataji/ 三重県出身　自治医科大学卒業後、僻地診療、三重大学勤務を経て、呼吸器内科医師となる 松阪市民病院院長 診療の傍らFM三重で「肺、おさむに聴け！radioを聴いてらんらんらん（lung lung lung）」という毎週月曜日放送の番組を担当 https://fmmie.jp/program/getsumoku/hiosamu.php ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ 震災に思う 　正月に起こった2つの出来事は衝撃的でした。1つは能登半島の地震、もう一つは航空機の衝突事故です。 　能登半島の地震ですが、今回の死者は建築物崩壊による圧死が多かったとのことです。被害者の方々が、一刻も早く通常の生活ができるよう祈念していますが、我々松阪市民病院も災害拠点病院としてDMATチームを被災地に派遣しました。被災地に派遣する際にいつも思うことは、本当に医療が必要な方は応急診療所には来ないわけで、一般的に応急診療所に来る方は圧倒的に軽い打撲か、心を病んで不眠の方が多い訳です。したがって、応急診療所では湿布薬と睡眠薬が多量に必要です。今回は、COVID-19も流行っているようですので、解熱剤なども必要になると思います。 　全国各地からDMATチームが能登半島を目指して行っている訳ですが、元々の自分が勤務する病院の仕事もある訳ですので、往復にかかる時間と滞在にかかる時間がほぼ同じくらいになってしまい、効率を考えた時、必ずしも効率が良い支援とは言いがたいと思います。また、DMATチームの医師が被災地の医療機関で手術や診療を行うことは、電子カルテのシステムの違いその他から、現実的ではないと思います。そう考えると、災害が多い日本故、国が500床位の病院船を造り、手術室も完備、CT、MRI、透析室完備で、数100人の医療従事者とともに、その船を現地に派遣できるようなシステムを造ってしまえば非常に効率的ではないのかと思う訳です。 　DMATで派遣される医療従事者は、年に数日その船に慣れるため船内での実習を義務化してしまえば、かなり効率が良い支援が提供できるのではないかと思います。もし可能ならば、国がその船と船に乗る医療従事者を恒久的に雇用すれば、日本のみならず、世界的に活躍することができて、世界でも貢献できるのではないかと思う訳です。 　自宅の崩壊により、多数の方が困ってみえます。そんな時には、国の予算で住宅船（あらかじめ1000人位収容できるような）を数隻建造しておき、被災地周囲に派遣するようなシステムムができれば、かなり効率的な支援ができるのではと思います。医療船1〜2隻と住宅船数隻建造しておき、被災地に迅速に派遣できれば、かなり効率的な支援ができるのではと空想してしまいます。南海トラフ地震も騒がれている中で、一度真剣に考えて欲しいなと思う次第です。 　航空機事故は残念なことでした。燃え盛る日航機をテレビで見た時、乗客乗員は助からないのではないかと思ってしまいました。もし助からなければ、死者約400人となり、これは今回の地震と同じくらいの人的被害になります。海上保安庁機は残念でしたが、日航機全員が助かったことは、不幸中の幸いであった気がします。 　被災地において何より必要なのは、インフラを一刻も早く元通りにすることであると思います。しかしながら、ある程度時間がかかることはやむを得ず、そんな時に、病院船や住宅船があればなあと考えてしまう訳です。このようなお金の使い方なら、国民は皆賛成してくれると思いますが、いかがでしょうか。 ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ ドクター畑地の診察室225.2024.1.14号 毎週日曜日お昼に配信予定です。 お問合せ、感想などはコチラまで zm.magumagu@gmail.com 畑地 治 https://zipangu-management.co.jp/culture_000/hataji/ 三重県出身　自治医科大学卒業後、僻地診療、三重大学勤務を経て、呼吸器内科医師となる 松阪市民病院院長 https ://mie-matsu-kokyuki.mars.bindcloud.jp/ https://www.facebook.com/mch.respiratory.center/ 診療の傍らFM三重で「肺、おさむに聴け！radioを聴いてらんらんらん（lung lung lung）」という毎週月曜日放送の番組を担当 https://fmmie.jp/program/getsumoku/hiosamu.php ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ ★お知らせ★ 好評発売中『ドクター畑地の診察室』バックナンバー 1ヶ月分を220円で購入できます。気になった号がある方はぜひチェックしてみてください！ ◆2023年12月 https://www.mag2.com/archives/0001688238/2023/12 2023/12/31 2023年を振り返って 2023/12/24 嬉しいメッセージ 2023/12/17 RSウイルスワクチン 2023/12/10 マラソントレーニング